◆陸上 セイコーゴールデングランプリ(18日、東京・国立競技場)

 男子100メートル決勝は、昨夏パリ五輪男子400メートルリレー代表の柳田大輝(東洋大)が10秒06(追い風1・1メートル)で優勝した。2019年世界陸上金メダルのクリスチャン・コールマン(米国)らを破った。

サニブラウン・ハキーム(東レ)はウォームアップ中に足に違和感があったといい、欠場となった。

 柳田は1レーンから好スタートすると、コールマンらの追い上げを振り切った。「(レーンが)良くも悪くも端っこだったので。左側には人がいなくて本当に気にせずに走れたので、それが良かったのかなと。予選でスタートでもたついてしまった。そこが今の僕の生命線になってくる部分でもあるので、そこをしっかり出ればある程度は走れるんじゃないかと思っていたので、スタートの時だけ集中して、スタートをちゃんとできたら、うまく最後まで転がるように走れるかなと思ってたので。本当にその通りになったのかなと思います」と、うなずいた。

 9日の関東学生対校選手権では、追い風4・5メートルの参考記録ながら9秒95をマークして優勝。この経験もプラスになったようで「スタートから風に押してもらい、いいスピード感でスタートを切る経験ができたのが、僕の中では良かったかな、と。今日の決勝のスタートもいい飛び出しができたかなと思うので、追い風が強い中でしたが(いいスピード感で)走れてて良かったかなと思っています」と振り返った。

 ただ、9月の東京世界陸上の参加標準(10秒00)を目指していただけに満足はしていない。「追い風1・1メートルをもらって、まだ(10秒)06。

標準を切ることを考えたら、まだどこかやれることがあるかなと。100点のレースができたら、10秒00は切ることができるのかなって思っています。世界陸上のセミファイナルになってきたら、9秒台(の選手)が当たり前にようにいて、9秒9の前半を出さなきゃいけない展開になり得ると思います。優勝できたことはもちろんいいですが、どの選手も夏に向けて絶対にギアが上がってくると思う。まずは代表権を取ることからですけど、世界陸上で負けないように僕も練習していきたいなと思います」と気合を入れ直した。

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