◆卓球 ◇世界選手権個人戦 第3日(19日、カタール・ドーハ=ルサイル・アリーナ)

 【ドーハ(カタール)19日=宮下京香】女子ダブルス2回戦で、世界ランク1位で初出場の大藤(おおどう)沙月、横井咲桜(ともに21)組=ミキハウス=がA・バヒット、A・ロマノフスカヤ組(カザフスタン)を3―0で退け、3回戦に進んだ。大阪・四天王寺高から組む若きエース“Wさっちゃん”ペアが、日本人同士のペアでは1967年大会以来の金メダル獲得に挑む。

女子シングルスの平野美宇(25)=木下グループ=は2回戦で敗退した。

 初のメインコートに緊張しながらも、若きエースペアが躍動した。2―0の第3ゲーム(G)、マッチポイントで大藤の鋭いバックレシーブで決め、横井と笑顔でハイタッチ。初出場の21歳ペアが世界ランク1位の力を示し、わずか18分で、18日の第2会場の初戦から2戦連続のストレート勝利。大舞台で初のコートインタビューは緊張してかんだが、大藤は「突破できてホッとした」。横井も「攻撃的なプレーができた」と喜んだ。

 大阪・四天王寺高時代からコンビを組む。愛称は「さつき」と「さくら」の下の名前から“ダブルさっちゃん”だ。性格は正反対でポジティブな横井に対し、大藤はネガティブ。ともに右打ちでシングルス世界ランク8位の大藤、横井とも強打を備え、攻撃的なスタイルが武器だ。緊張がほどけた第3Gは、2人が連続で強打を浴びせる持ち味を発揮。ベンチの坂本竜介コーチ(40)も「消極的に行かず、打ち続けることで強くなる」とたたえた。

 日本人ペアでは同種目58年ぶりの頂点に挑む。今大会と同会場で行われた1月のWTTスターコンテンダー・ドーハで優勝し、翌週に世界ランク1位に浮上。「縁起のいい場所。1戦1戦、2人で高め合えたら」と大藤。横井も「金メダルを目指して頑張りたい」とうなずいた。(宮下 京香)

 ◆大藤 沙月(おおどう・さつき)2004年5月16日、福井・大野市生まれ。21歳。3歳で始め、四天王寺中・高を経て23年からミキハウス所属。全日本選手権は20年からジュニアの部を連覇。昨年のアジア選手権女子団体、女子複で優勝。同年のWTTチャンピオンズ・モンペリエで女子単を初V。Tリーグは21―22年から日本ペイント。

右シェークドライブ型。152センチ。

 ◆横井 咲桜(よこい・さくら)2004年4月23日、岐阜・大垣市生まれ。21歳。5歳で始め、四天王寺中・高に進学。2年時の21年全国高校総体で女子単、大藤と組む女子複、団体で3冠。23年からミキハウス所属。全日本選手権は23年、24年女子単で3位。昨年アジア選手権女子複で日本勢54年ぶりのV。Tリーグは21―22年に九州、22―23年から日本ペイント。右シェークドライブ型。155センチ。

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