◆プロボクシング ▽IBF世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位エドアルド・ヌニェス(メキシコ)―同級3位・力石政法(5月28日、横浜BUNTAI)

 IBF世界スーパーフェザー級3位の力石政法(30)=大橋=と王座決定戦で対戦する同級1位エドアルド・ヌニェス(27)=メキシコ=が20日、横浜市の大橋ジムで練習を公開。戦績は28勝(28KO)1敗。

KO勝率100%(KO率97%)を誇る倒し屋は「日本で戦争をするために来た。力石は好戦的な戦士だが、それは私も同じ。最高の試合ができると思う。必ず勝利する」と落ち着いた表情で語った。

 公開練習では、シャドーボクシング、スティックを使ったディフェンス練習、サンドバッグ打ち、ロープスキッピングなどで黙々と汗を流した。試合まで約1週間。「減量も順調で、最高の仕上がり。12ラウンドでも15ラウンドでもフルに戦えるコンディションだ」と好調をアピールした。

 身長は168センチ。177センチの力石とは9センチの差があるが「全く問題ない。これまでだいたい自分より背の高い選手と戦ってきた」と強調。KO量産の理由を「プレッシャーをかけてパンチを出すのが大好き。

その結果だと思う」と話し、「ジムに入り浸るほど、自分の人生はジムの中にある。ジムの中ではとても楽しめる。人生のスタイルはジムにあるんだ」とボクシングに人生を捧げていることを明かした。

 元世界3階級制覇王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)の父マヌエル・チーフトレーナーも「彼はキャリアが始まった時から、キャリアのすべてを捧げる練習をしている」と証言した。

 ニックネームは「シュガー」。本来は、砂糖のようにスウィート(素晴らしい、華麗な、の意味)という意味からテクニシャンにつけられるニックネームだが、ヌニェスの場合は「とてもいい人だから」(マヌエル氏)との理由で名付けられたという。あこがれの選手としては、マイク・タイソン、メキシコの英雄フリオ・セサール・チャベス、そして井上尚弥の名を挙げた。

 ヌニェスの練習を視察した力石陣営の大橋秀行会長(60)は「強そうだね。ラフでもなく、シャープで大振りしないで、あれだけのKO率。怖さがある。今まで日本に来た怪物的な選手と同等。落ち着いた感じや雰囲気が、リカルド・ロペスに近い」と、同会長が5回TKO負けでWBCミニマム級王座を奪われたプロ・アマ通じて無敗のレジェントの名を引き合いに出した。

 「(ロペスを見た)米倉(健司)会長やトレーナーが真っ青になっていた。空気感がロペスに似ている。自分は負けちゃったけど、それを勝ってもらうのが力石。自分の失敗を、肥やしにしてもらわないと」と話した大橋会長は、ヌニェス陣営と対面した際に「リカルド・ロペス」と言われ「うれしいんだか、悲しいんだか」と苦笑していた。

 力石の戦績は16勝(11KO)1敗。

 試合はLeminoプレミアムで独占生配信される。

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