◆卓球 ◇世界選手権個人戦 第4日(20日、カタール・ドーハ=ルサイル・アリーナほか)

 【ドーハ(カタール)20日=宮下京香】混合ダブルス3回戦で、18歳の松島輝空(そら)、16歳の張本美和組(木下グループ)がメダル獲得に王手をかけた。エジプトのペアに3―0で勝ち、準々決勝に進出。

3位決定戦はないため、メダルまであと1勝となった。高校生同士の“そらみわ”ペアは初出場で表彰台の快挙に挑む。吉村真晴(31)=SCOグループ=、大藤(おおどう)沙月(21)=ミキハウス=組も8強入りした。

 高校生ペアが貫禄さえ感じさせた。劣勢にも動じなかった。松島、張本美組は第1ゲーム(G)、3―1から7連続失点。そこから松島のうなるようなフォアドライブが決まると、張本美も守備で男子選手の打球に負けない。5点差を逆転して第1Gを先取すると、この勢いのまま8強入りにつなげてハイタッチ。張本美が「決める時、決めるのはすごい」と言えば、松島も「女子選手が男子の打球を取るのは難しいけど、簡単にできている。やっぱり一流」と褒め合った。

 高3の松島と1学年下の張本美の若きペア。主導権は後輩の張本美が握っているという。

「練習中に『下がるな』とよく怒られている。厳しく言われるけど、僕はおとなしく聞きます」と松島とタジタジ。張本美も「練習ではもっと褒めたいけど、いつも怒っちゃう」と苦笑い。取材中も、報道陣に快勝の心境を聞かれた松島が「突破できた」と素っ気なく答えると「事実を言っただけね」と横からすかさず張本美が指摘。お互いにフラットな関係性が、プレーでの良さも引き立てている。

 10代ペアは「目指しているのは金メダル」と声をそろえた。表彰台へ準々決勝で立ちはだかるのはパリ五輪金メダルで大会2連覇中の王楚欽(おう・そきん)、孫穎莎(そん・えいさ)組=中国=。兄・智和(21)が過去2大会連続で混合ダブルス決勝で敗れてきた相手を見据え、張本美は「勝つという気持ちで頑張りたい」と闘志を燃やした。

 ◆松島 輝空(まつしま・そら)2007年4月29日、京都市生まれ。18歳。祖父母が開く田阪卓研で卓球を始め、小学1年から世代別の全日本選手権を6連覇。18年に11歳でワールドツアー初出場。

21年世界ユース選手権15歳以下で3冠。24年世界選手権団体戦代表。「輝空」の由来は「世界で輝いてほしい」。左シェークドライブ型。172センチ。家族は両親と弟、妹2人。

 ◆張本 美和(はりもと・みわ)2008年6月16日、仙台市出身。16歳。Tリーグは木下アビエル神奈川所属。両親の影響で兄・智和に続き卓球を始め、3歳で大会に初出場。24年は世界選手権団体戦、パリ五輪でともに団体銀メダル、アジア選手権は団体金、女子ダブルス銀。右シェークドライブ型。

166センチ。

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