◆プロボクシングWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○王者・村田昴(TKO6回1分42秒)同級8位・小国以載●(20日、後楽園ホール)

 パーフェクトレコードのWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者・村田昴(28)=帝拳=が激しい打撃戦を制し、10連続KO勝利で2度目の防衛に成功した。元IBF世界同級王者でWBO同級8位・小国以載(37)=角海老宝石=の挑戦を受けた村田は、1、2回と元世界王者の老かいなテクニックに苦戦。

「打ち終わりを狙ってきた。本当にうまかった」とボディー、右ストレートを軸に前に出る小国に苦戦を強いられる。しかし、3回からは足を使い左ストレートを武器にして流れを引き寄せた。

 「小国さんの気持ちの強さが伝わってきた。やっていて、どこまでこの展開が続くのだろうと思ってしまった。ストップの前までいけるという感覚がなかった」

 激しい打ち合いに相手を引きずり込み、自慢のハードパンチをお見舞いしても、元世界王者はボディーを軸に反撃してくる。それでも打ち続けダメージを与えた。そして6回、連打でロープに追い詰め渾身の右フック一閃(いっせん)。レフェリーがストップを告げ、連続KOを「10」に伸ばし、パーフェクトレコードを更新してのV2を達成した。

 控室に戻る前には小国のロッカールームに寄り、感謝を告げた。小国からは「世界を目指して頑張って」とエールを送られた。アマチュアで全日本王者となりプロ入り。

無敗のまま地域タイトルを獲得し、残されたものは世界王座のみ。世界スーパーバンタム級の4つのベルトは井上尚弥(大橋)が独占しているため、今は静観するしかないが「これからは世界を目指してやっていく。そのためにも、もっレベルを上げていきたい」と言い切る。脂の乗った28歳、期待は大きい。

 戦績は村田が10戦全勝(10KO)、小国は22勝(9KO)4敗3分け。

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