◆ルヴァン杯 1次ラウンド3回戦 磐田2-1G大阪※延長戦(21日・ヤマハスタジアム)

  J2ジュビロ磐田はJ1G大阪を2―1で下し、現行方式では初のプレーオフ(PO)ラウンド進出を決めた。後半35分、FW佐藤凌我(26)が貴重な同点ゴール。

迎えた延長後半5分、来季の入団が内定している特別指定選手のDF吉村瑠晟(21)=関大4年=が劇的な初ゴールをねじ込んで勝ち越した。POラウンドはホーム&アウェーで争われ、初戦は6月4日に行われる。

 ジュビロに文字通りの救世主が現れた。延長後半5分、磐田・吉村はこぼれ球に反応。左サイドから左足を豪快に振り抜き、劇的な一発をたたきこんだ。来季入団内定している特別指定選手の初ゴールが、J2勢では唯一のPOラウンドへと導いた。ヒーローは先輩たちの手荒い祝福を受け「最後、あそこまで走れるのが大学生らしさ。点につながって良かった」と胸を張った。

 スピードや身体能力に定評がある左サイドバック。一足早く3年時の24年4月に入団内定するほどクラブの評価も高く、不動の存在である松原の“後継者”として期待されてきた。昨年、Sランス戦で磐田デビューし、この日は後半25分からピッチへ。「応援のおかげで走れた」とスタンドから声をからしたサポーターに感謝した。

 リーグでは4バックをベースとしている磐田だが、この日はDFリカルドグラッサ(28)、DF森岡陸(26)、DF川口尚紀(30)、を並べる3バックを採用。前半は膠着(こうちゃく)状態が続いたが、同43分、縦パスから好機を作られ、抜け出したFWデニス・ヒュメット(28)に絶妙なループシュートを許す。GK川島永嗣(42)の頭上を越えたボールは無情にもネットに吸い込まれた。オフサイドの可能性を指摘した指揮官は前半終了時にも審判団に猛抗議した。

 後半に入ると、ハッチンソン監督は次々とカードを切って攻勢を強め、MFクルークス(31)がピッチインから1分後の同35分、左サイドからクロス。ゴール前でこぼれたところを佐藤が見逃さず、左足で弾丸シュートをねじ込んで試合を振り出しに戻した。

 POラウンド初戦は6月4日に行われる。「これを続けて自分の良さを出していければ」と吉村。公式戦4連勝としたサックスブルー軍団がさらに勢いを増していく。(武藤 瑞基)

 ◆吉村 瑠晟(よしむら・りゅうせい) 2003年7月2日、兵庫県生まれ。21歳。兵庫・神戸弘陵高から関西大へ進学。

磐田では昨年から特別指定選手としてプレーし、同年7月に行われたフランス1部のSランス戦に出場した。181センチ、72キロ。

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