歌手の郷ひろみ(69)が24日、埼玉・越谷市のサンシティホール大ホールで全国ツアーの初日を迎えた。

 「70 YEARS a GO!」をツアータイトルに掲げ、70代に突入する10月まで36公演8万人を動員するツアー。

古稀(こき)を迎えるメモリアルの公演となるが「テーマは『復刻と進化』。一見矛盾しているようだけど、その矛盾がいいなぁ、という風に僕は思った。昔の曲をやってみても、進化して確実に前に進んでいるショーになっているんじゃないかと思います」と語った。

 ステージでは111枚目のシングル「最強無敵のDong Dong Dong!」を披露したほか、日替わりの「ベスト・テン」コーナー、デビュー曲の「男の子女の子」や代表曲「2億4千万の瞳―エキゾチック・ジャパン」「言えないよ」など22曲を披露。伸びやかな歌声と激しいダンスで沸かせた。ステージ背後のLEDパネルにはデビュー前後の少年時代、そして現在まで各世代ごとの秘蔵映像が映し出され、70年の道のりを表現した。

 70歳の誕生日を迎える当日の10月18日、翌19日には東京・北の丸公園の日本武道館でコンサートを行うことも発表。武道館公演は50周年を迎えた22年12月以来、約3年ぶりだ。ライブ途中のMCで郷自ら発表すると、客席のファンから大歓声が上がった。開演前に報道陣の取材に応じた郷は「今考えたんですが、70歳なので、2日で70曲歌ってみようかな。心から皆さんが楽しんでもらえるようなショーを考えたい。僕のことを好きで、ずっと応援してきてくれた方たちと一緒に楽しみたい」と語った。

 かねて郷は「黄金の60代」を経て「プラチナの70代」に突入すると公言している。「70歳とか、古稀とかはあくまでも目安、通過点だなと思っている。動ける体があったら動けばいいし、若い人からも教えてもらって、目からウロコが落ちるようなことを聞き逃さずに自分のなかに取り入れていきたい。プラチナの70代の次はダイヤモンドの80代ですね」と語った。

 武道館公演の最年長記録は英ギタリスト、エリック・クラプトンの80歳。日本人最年長は加山雄三(88)の77歳(当時)だが、歌って踊るスタイルのアーティストが古稀を超えて武道館ステージに立つのは異例のことだ。「自分の中で、クラプトンさんと並べていただけること自体すごく幸せなこと。対抗意識とかは思ってないんですけど…」と謙虚に話しながらも「続けられる体があったら、いくつになっても続けていきたい」と宣言。黄金、プラチナからダイヤモンドへ。進化を続けながらさらに輝きを増していくつもりだ。

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