俳優の大泉洋が主演する舞台「昭和から騒ぎ」(翻案・演出=三谷幸喜)が25日、東京・世田谷パブリックシアターで開幕した。6月16日まで。

 「元祖ラブコメ」とも言われるシェークスピアの恋愛喜劇「から騒ぎ」を三谷氏が翻案、演出。原作のイタリアから日本の鎌倉に舞台を移し、2組のカップルが紆余(うよ)曲折の末に愛を成就できるのか、丁々発止の恋の駆け引きを描く。大泉が芸人一座の看板役者・紅沢木偶太郎、竜星涼が花形役者の尾上定九郎、宮沢りえが鎌倉に住むびわこ、松本穂香がひろこを演じる。

 三谷氏は稽古期間中に行ったスポーツ報知のインタビューで、鎌倉を舞台にしたことについて「おせっかいな人がたくさん出てくるのが、昭和の義理人情のある世界につながる」と説明。「僕の中では鎌倉を舞台にした作品を多く作った小津安二郎監督へのオマージュ。高橋克実さんが演じる大学教授は笠智衆さんのイメージ」と話していた。

 シェークスピア作品の翻案・演出に初挑戦することは「基本的にオリジナル脚本の作品をやるのが自分だと思っているので、シェークスピア作品へのプレッシャーはゼロに近い。そんな失礼な人だからこそ、客観的にシェークスピアを見られる強みもある」と意気込みを語っていた。

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」などでもタッグを組んだ大泉には「どうすれば作品が面白くなるのか、どうすれば観客が笑ってくれるのか、分かっている人」と信頼を寄せる。演出に関しては、普段は出演者をイメージした「あて書き」を得意としているだけに「演出が難しい。僕ですら、分からない部分がある」と稽古場で試行錯誤していた。

 出演はほかに峯村リエ、松島庄汰、山崎一ら。

大阪公演はSkyシアターMBSで6月20~23日、福岡公演はキャナルシティ劇場で6月27~29日、札幌公演はカナモトホールで7月4~6日、函館公演は7月9~10日に上演する。

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