将棋の第10期叡王戦が五番勝負第4局が26日、千葉・浦安市「ハイアットリージェンシー東京ベイ」で行われ、先手の挑戦者・斎藤慎太郎八段が125手で勝利した。

 斎藤の先勝で始まったが、第2、3局は伊藤匠叡王が連勝。

斎藤はカド番となったが、この日は秒読みを制した。「あまり展望が見えていなくて自信がなかったけど、(81手目で)▲6一角と打ったあたりでちょっとチャンスが来たかな」と手応え。金を取られるなど最終盤まで難しい展開が続いたが、121手目に▲3五銀を打ち「自玉が安全になった気がする」と勝利を意識。1局を通し「序盤は少し自信がなかったけど、中終盤にかけて辛抱したのが実った」と満足そうな様子だった。

 前期、同い年の藤井聡太七冠から叡王を奪取し、自身初の防衛に王手をかけていた伊藤は「駒を使った割に機能していなくて、苦しかった。自信のない時間が長かった。中盤の力を磨いていかないと」と振り返っていた。

 対戦成績は2勝2敗のタイに。6月14日、千葉・柏市「柏の葉カンファレンスセンター」で行われる第5局に向け、斎藤は「ここまでと変わらず、平常心で臨めるようにしたい」。伊藤も「精いっぱい頑張りたい」と意気込んだ。

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