◆プロボクシング ▽WB世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹―同級7位・ユッタポン・トンデイ(28日・横浜BUNTAI)

 WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が、同級7位の挑戦者ユッタポン・トンデイ(タイ)を1回2分7秒、TKOで退け、2度目の防衛に成功した。わずか127秒。

3度倒して秒殺防衛を果たした。開始47秒、左ストレートで先制ダウンを奪取。明白にダメージが残るユッタポンになおも襲いかかり、左で2度目、3度目のダウン。それでもなんとか立ち上がった相手に、連打を浴びせてトドメを刺した。

 当初1月に予定されていたユッタポン戦は、昨年12月の自身の右肩関節唇損傷により延期となった。仕切り直しとなった一戦で完勝劇を見せた武居はリング上で「とにかくきょうは倒さなきゃと思って、最初から飛ばした。メインで1ラウンドKOで勝てたことは幸せです」と笑顔を見せた。

 今後について問われると「まずは指名試合をクリアしないといけないみたいなので、それをクリアしたら僕は誰だってやるので。でも、もう1本くらいベルトほしいですね」と語り、会場をわかせた。世界王者同士での対戦を誓い合った那須川天心(帝拳)はWBC1位、WBA&WBO2位、IBF4位と世界ランクを着々と上げてきた。6月8日の世界前哨戦を経て、11月にも世界挑戦を迎える予定だ。

 武居の次戦は今秋、WBO1位クリスチャン・メディナ(メキシコ)との指名試合が内定。

この試合をクリアすれば、いよいよ天心戦が現実味を帯びてくる。ただ試合後の会見で“もう1本のベルト発言”の真意を問われた武居は「僕は何でも行きます。最近になって1本じゃ物足りなくなってきて、何でもタイミングあれば行きます」とコメント。陣営の大橋秀行会長は、指名試合をクリアした後について「次はおもしろい対戦を実現させたい」と語った。那須川の名前を出さなかったことについて、武居は「彼はまだチャンピオンじゃないので、別にいいかなと」と説明。ベルトを取ればもう1本に加算か、と問われると「それもいいですよね。応援しています」と語った。

 ◆武居由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京・足立区生まれ。28歳。高校時代はボクシング部で活動も、その後キックボクシングに転向。「パワーオブドリーム」に所属し、2014年11月にKrushでデビュー。17年4月、K―1ワールドGPスーパーバンタム級王座を獲得。

19年6月、K―1同級世界最強決定トーナメント優勝。20年12月にボクシング転向を表明。21年1月のプロテストに合格し、3月にデビュー。身長170センチの左ボクサーファイター。

編集部おすすめ