◆国際親善試合 日本1―3ブラジル(31日、ブラジル・サンパウロ)
FIFAランク5位のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は、同8位のブラジル女子代表とアウェーで対戦し、1―3で敗れた。昨年12月のニルス・ニールセン監督(53)の就任以降、5試合目で初の黒星となった。
歓喜と落胆が一転、二転する展開が試合の序盤に起こった。前半11分、DF南萌華が自陣エリア内でボールを奪うと、FW藤野あおばのロングボールからカウンターを試みる。抜けだしたFW田中美南が相手GKを冷静にかわし、無人のゴールにシュートを沈めた。
しかし、南のボール奪取がファウルだったとして得点は取り消され、さらに相手にPKが与えられてしまう。得点が無効となり大きなピンチにもなってしまうが、同16分に放った相手のPKは外れて事なきを得た。
その後もブラジルのペースで試合が進む中、先に主導権を許してしまう。同28分、GK山下杏也加のパスが奪われると、相手FWドゥジーニャがエリア手前から左足でシュート。4分前に好セーブを見せていた山下だが止めることが出来ず、バーに当たった球はそのままネットの中へ吸い込まれた。
DF北川ひかるが同37分に直接FKを狙うチャンスもあったが、同42分に相手がカウンターを仕掛ける。ドゥジーニャが放ったシュートは一度山下がセーブするも、こぼれ球に再びドゥジーニャが股の間を通すシュートを放たれ、2点目を沈められた。複数失点はニールセン体制で、初となった。
後半に入ってもブラジルから流れを引き戻すことが出来ない。
同22分に相手のハンドでPKを獲得したが、MF長野風花がゴール左に放ったシュートは相手GKに好セーブされた。同24分には6度のバロンドールを受賞し、パリ五輪でブラジル女子代表からの引退を表明するも復帰したレジェンドFWマルタが投入され、球場はさらに盛り上がった。同44分にはカウンターから途中出場のMF清家貴子が1点を返したが、反撃はそこまでだった。
ブラジルとは直近では昨年のパリ五輪の1次リーグ第2戦(2〇1)で対戦。1点ビハインドのまま後半アディショナルタイムに突入するが、DF熊谷紗希のPKとMF谷川萌々子のロングシュートで逆転していた。2年後の女子W杯開催地でもあるブラジルでの試合について、ニールセン監督は「アウェーの雰囲気は新しい経験にもなると思うので、厳しい環境の中でいかにベストを尽くせるかに取り組みたい」と話していた。