◆第92回日本ダービー・G1(6月1日、東京競馬場・芝2400メートル)

 第92回日本ダービー・G1に、地方競馬のトップジョッキー時代に本紙でコラムを掲載し、今年からトレーナーに転身した森泰斗調教師(44)も特別に“復活”参戦した。

 スポーツ報知の読者の皆さま、お久しぶりです。

昨年騎手を引退し、現在は調教師。騎手時代はJRA・G1時のコラム「タイトな読み」でお世話になりました。

 さて、ダービーですが本命はクロワデュノールです。前からすごくいい馬と思っていました。皐月賞は負けましたが、向こう正面でこすられたりしている厳しい競馬。あの展開でよく残ったというべきです。無敗が途切れたのは残念ですが、府中の2400メートルなら同じような展開にはなりません。落ち着いた自分のリズムで走れれば、ダービー馬になれるでしょう。

 ○はミュージアムマイル。前走はモレイラマジックの部分もありましたが、最後の伸びは目を見張るものでした。ここにきて馬自身が充実してきている印象を受けます。モレイラの腕だけでは、あの脚は出せないですからね。

ただ、あそこまで切れると距離が延びてどうかというのがあるので、2番手にしました。クロワデュノールの方が長くいい脚を使えますしね。

 ▲はジョバンニです。本当にいつも崩れない安定感がありますよね。まず上位争いは確実だと思います。前走は決してうれしいとは言えない流れのなかで、クロワデュノールと0秒1差。押さえないといけない馬だと思っています。

 今回は皐月賞上位組が戦ってきた相手を含めても強いと思うので、素直に信頼しました。

 私は現在、秋の開業へ向けて準備の真っ最中。日本各地の牧場へあいさつに行ったり、先日はオーストラリアで研修を行いました。この後はマレーシアへも行く予定。騎手の時とは求められるスキルも違うので、それを身につけるため日々勉強です。

それでも根っこの部分の馬優先主義は変わりません。自分の感情を先に立たせることなく、勝てる厩舎を目指していきます。地方馬はどうしても分が悪い交流重賞を勝ったり、ゆくゆくは海外遠征なんかもできるようになるといいなと思っています。言うだけはただですから(笑)。ぜひ、地方競馬にも注目していただけたらと思います。(船橋競馬所属調教師)

 ◆森 泰斗(もり・たいと)1981年1月11日、千葉県生まれ。44歳。98年4月18日、足利競馬の佐野和伸厩舎所属として騎手デビュー。03年の足利競馬廃止に伴い、宇都宮競馬へ移籍。05年には宇都宮競馬場も廃止となり、船橋・松代真厩舎の所属となった。17年には東京ダービーをヒガシウィルウィンで制しダービージョッキーの仲間入りを果たすなど、重賞71勝をマーク。全国リーディング6度、南関東では9度リーディングとトップジョッキーとして長く活躍した。

24年11月29日の騎乗を最後に引退。25年3月に地方競馬の調教師試験に合格した。地方通算2万8333戦4448勝。

【森泰斗調教師の印】

◎(13)クロワデュノール

○(7)ミュージアムマイル

▲(9)ジョバンニ

★(18)サトノシャイニング

△(17)マスカレードボール

△(2)ショウヘイ

△(3)エリキング

△(8)エムズ

△(15)ファウストラーゼン

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