尾上菊之助改め8代目尾上菊五郎、尾上丑之助改め6代目尾上菊之助の襲名披露公演の2か月目となる「六月大歌舞伎」(27日千秋楽)が2日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。

 菊五郎は「菅原伝授手習鑑 寺子屋」で松王丸役を演じ、親子の情と忠義の間で揺れる心情を巧みに表現。

菊之助は「車引」で母方の祖父・中村吉右衛門さん(2021年死去、享年77)が当たり役にした梅王丸役を11歳とは思えない勇壮な姿と力強い動きで演じた。「連獅子」では親子そろって、豪快な毛振りを披露して喝采を浴びた。

 菊五郎は口上で「歴代の菊五郎が大事にしてきた伝統と革新の精神を大事にして参ります」と語り、菊之助も「大きな名跡を受け継ぐ感謝を胸に立派な歌舞伎俳優になれますように精進します」と決意表明。片岡仁左衛門からは「8代目さんは頼もしく、将来が楽しみ。歌舞伎界を一角の背負う立派な俳優さんになると思っています」と激励された。

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