日本代表は8日、アジア最終予選のインドネシア戦(10日・吹田S)に向け、大阪府堺市内で練習を行った。今予選初黒星を喫したオーストラリア戦(5日、0●1)では、シャドー、ボランチでフル出場して試合をリードしたMF鎌田大地は「チームとしてやるべきことは、すごくできていたと思います。
今回は代表デビューの3人(平河、俵積田、関根)を含む経験の浅い選手を、キャップ数40以上の鎌田がキャプテンマークを巻いて引っ張り、試合を組み立てた。シャドーから左サイドの低い位置まで降りてボールを引き出した鎌田のプレーもあり、保持率は68パーセントと圧倒。主将のMF遠藤航を体調不良で欠いた以外は、フルメンバーで臨んだ24年10月のホーム・オーストラリア戦(1△1)の62パーセントを上回るほど試合を支配したが、ゴールをこじ開けることはできず。終了間際に鎌田のパスがカットされた場面から攻め込まれ、痛恨の決勝ゴールを与えた。
鎌田は「今のアジアのレベルだと、その試合に勝つ、勝たないは置いておいて、選手層や選手の質は、明らかに日本が抜けていると思う。誰が出ても、やりたいことはある程度できると思う」と持論を語った。一方でサッカーには“優勢勝ち”がない以上、試合を決めるのはゴール前での質。「僕自身は、ひとりで何とか打開して点を取ったり、何かができるタイプじゃない。改めて、選手個人としてまだまだよくできる部分がいっぱいあると思いますし、ああいう難しいタイミングで何か変えられるようになりたい」と話した。
今回の鎌田は、代表経験が浅い選手たちを引っ張り、チームとして形にする役割は十分に果たした。一方で自身が語ったように、チームを救う決定的な仕事は果たせなかった。森保ジャパンでは、シャドーの位置なら久保や南野(今回招集外)、ボランチなら遠藤、守田や田中碧(今回招集外)らとポジションを争う鎌田。さらに既存メンバーの椅子を狙う若手たちの追い上げも振り切り、約1年後の北中米W杯のメンバーに生き残るべく、自身の課題をはっきりと見据えていた。