◆テニス ▽全仏オープン(8日、フランス・パリ)

 【パリ8日=吉松忠弘】世界ランキング2位のカルロス・アルカラス(スペイン)が、3本連続のマッチポイントをはね返し、5時間29分の大会史上男子シングルス最長決勝を制し2連覇を達成した。初優勝を狙った全豪覇者で同1位のヤニク・シナー(イタリア)に4-6、6-7、6-4、7-6、7-6の大逆転で勝ち、4大大会通算5勝目となった。

優勝賞金は255万ユーロ(約4億2000万円)。

 死闘で両者が奪い合った計385ポイント。大会史上最長決勝の329分を戦い抜いて、差がついたのはわずか1ポイントの激戦だった。最後、ネットに出たシナーの横を、アルカラスのフォアのストレートが抜け、アルカラスはコート上に倒れ込んだ。「過去で最もエキサイトな試合だったことは間違いない。すべてを出し尽くし、対処できたことを誇りに思うし、最高にハッピーだ」。

 過去5セットにもつれ込んだ試合は12勝1敗。圧倒的な強さを誇るが、5セット試合で最初の2セットを落としてからの逆転は1度もなかった。それどころか、第4セットの第9ゲームでは3本連続のマッチポイントを握られてからの大逆転劇だった。「逆転できると信じていた。最後のポイントを奪われない限り、試合は決して終わらない」。

 開幕した5月25日。

大会最多14度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン)の引退セレモニーが行われた。センターコートには、ナダルの偉業をたたえプレートが埋め込まれている。ナダルの後継者と言われるアルカラス。「運命を感じる。本当に誇りだ」。アルカラスが、歴史的な決戦を制し、ナダルの後を追う。

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