◆第66回宝塚記念・G1(6月15日、阪神競馬場・芝2200メートル)

 開幕週だった先週の阪神はセオリー通り、先行有利の傾向が強かった。12レース中7レースが連対したダートほどではなかったが、芝も前で運んだ組が有利だと感じたのは日曜12Rだ。

前を行く2頭が競り合い、前半3ハロン33秒2のハイラップを刻みながら、逃げ馬は2着で、競った馬もバッタリと止まらずに6着。もちろん、能力があってこそのパフォーマンスだが、前の組はなかなか止まらない。

 そんな傾向を踏まえ、面白そうなのがリビアングラス(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎、父キズナ)だ。3歳時にも菊花賞4着があったが、矢作調教師から「完成はまだ先」と聞いてきた。その後、一時は体調を乱していたこともあったが、今年に入ってからは本来の姿を取り戻した印象だ。

 「やっと、らしくなってきましたね。前走で松山騎手は『距離は長いかな』と言っていたし、2200メートルはいいと思う。稍重ぐらいなら、馬場も何ともない」と甲斐助手。今週、関西の天気予報は傘マークが並ぶ。確かな成長を刻みつつ、条件も好転する今回は決して侮れない。(山本 武志)

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