J1鹿島は9日、DF小川諒也をシントトロイデン(ベルギー)から完全移籍で獲得したと発表した。背番号は7。

日本代表通算5試合出場の左サイドバック(SB)は、クラブを通じて「アントラーズが優勝するために、全力で戦いたいと思います」とコメントした。

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 前半戦の全19試合で先発し、左膝前十字靱帯損傷で長期離脱が決まったDF安西幸輝の穴を埋める活躍が期待される。

 小川の獲得は当初予定されていなかったが、5月31日のG大阪戦で安西が負傷したことを受けての緊急補強となったという。約1週間でのスピード決着となった。

 安西が不動の存在だった分、安西以外の選手が左SBに入った時に、どのようなチームになるのかは未知数だ。安西と小川は、利き足も違えばプレースタイルも異なる。

 今季の始動以降、公式戦、報道陣に公開された対外試合でSBを務めた選手は以下の通り(ユース選手除く)

 【右】濃野公人、小池龍太、津久井佳祐、松本遥翔、三竿健斗、安西幸輝

 【左】安西幸輝、小池龍太、佐藤海宏、溝口修平、キムテヒョン、津久井佳祐、松村優太(※スクランブル起用)

 濃野の戦列復帰も近いとされており、センターバックには千田海人も加わった。開幕までの対外試合では、小池やキムテヒョンは左SBでもテストされていた。小川は左SBの一番手として期待されるが、欧州での1シーズンを戦い終えたばかりで、コンディションは未知数。昨季は田川亨介、その前年は柴崎岳がそうであったように、夏加入の欧州帰り選手は、コンディション面で苦戦を強いられることも多い。安西の穴は、全員で埋めていく姿勢が求められるだろう。

 また、前半戦の終盤は右にチャヴリッチ、左に鈴木優磨を配置してのスタートが基本だったが、SBの組み合わせによっては、ここが変わる可能性もありそうだ。

小川にクロッサーとしての役割を求めるなら、鈴木優磨との縦関係はもったいない。小池が左に移るなら、相性抜群のチャヴリッチを左に回すプランも選択肢の1つになり得る。

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 両SBの「色」は、チーム全体の戦術にも多大な影響を及ぼす。不動の存在だった安西の離脱で、鹿島は大きな試練の時を迎えている。逆境のチームを救うのは誰か。

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