◆第66回宝塚記念・G1(6月15日、阪神競馬場・芝2200メートル)

 過去10年間で3勝、2着3回、3着3回の天皇賞・春組。2勝、2着3回、3着2回の大阪杯組。

2週前倒しになった今年も、このG1からの転戦が王道ではあるとは思う一方、もう一つ気になる前哨戦がある。

 過去10年、ドバイ・シーマクラシックで3着以内に入った馬は、宝塚記念で【2112】と好走している。

 23年イクイノックス

ドバイSC《1》着→宝塚《1》着

 21年クロノジェネシス

〈2〉着→《1》着

 19年スワーヴリチャード

〈3〉着→〈3〉着

 16年ドゥラメンテ

〈2〉着→〈2〉着

 今年、該当するのはドゥレッツァだ。レースは好スタートを切ると、序盤はハナに立ったシンエンペラーを見る形の2番手。中盤でレベルスロマンスが動いて先頭に立つ難しい展開にも動じず、自分のリズムを守って迎えた直線は見せ場十分。スローペースの瞬発力勝負になり、結果的に1、2着馬(ダノンデサイル、カランダガン)の決め手に屈した形にはなったが、この馬なりにしぶとく脚を使って逃げ粘っていたレベルスロマンスをきっちりかわしての3着確保は評価できる。

 阪神の内回りなら前回のような末脚比べになる可能性は低く、むしろこの馬の先行力は魅力たっぷりで当然、軽視は禁物だ。(西山 智昭)

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