今夏の参院選に国民民主党から全国比例で立候補する山尾志桜里元衆院議員(50)が10日、国会内で出馬会見を開催した。かつて報じられた不倫疑惑を否定し「再起のチャンスをいただくべく全力で頑張りたい」と意気込みを語った。
山尾氏は民進党に所属していた2017年、若手弁護士とのダブル不倫が週刊誌で報道され、同党を離党。当時は会見で「男女の関係はなかった」と完全否定していた。
この日は、白のシャツ、黒のジャケット&ズボンのモノトーンコーデで登壇。「8年前に言ったことは事実でございます」と明言し、かつての否定発言を覆さなかった。「8年前の振る舞いは未熟で、おごりがあった。東京のメディアとの会見で質疑を受けなかったのは反省している」としながら、否定の根拠については「いろいろな立場や思いの方がいる。新しく言葉を付け足したりとかは控えさせていただきたい」と多くを語らず。不倫していないのはウソではないのかとの確認質問には「ウソではありません。8年前の会見で申し上げたことは事実です」と同様の文言を繰り返した。
そのほか、山尾氏にはかつて「地球5周分の多額ガソリン代計上疑惑」や「議員の公務用JR無料パス不正疑惑」などもあったが、いずれも会見で陳謝。SNSなどで「ガソリーヌ」とあだ名がついたガソリン問題については当時の秘書が不正を認めて全額支払いしたと説明し「自分の責任。おわび申し上げたい」と述べた。
山尾氏を巡っては、出馬が4月下旬に報道されて以降、国民民主党の支持率が急落。共同通信が5月17、18日に実施した調査では、13・2%で、前回4月の調査から5・2ポイントも減った。
この日、自身への逆風については「正直、想定以上でした」と胸の内を吐露。これまで複数の殺害予告も受け、被害届も提出したという。「出馬までは悩みましたが、出馬後は揺らいだことはない」と断言。街頭演説などで辛辣(しんらつ)な言葉をかけられたとしても「逃げません」と言い切り、2時間半にわたる記者からのロングラン追及を逃げ切った。(樋口 智城)