◆2026年北中米W杯アジア最終予選▽第10戦 日本6―0インドネシア(10日・市立吹田サッカースタジアム)

 既に8大会連続8度目の本大会出場を決めているFIFAランク15位の日本は、ホームで同123位のインドネシアを6―0で下し、3試合ぶりの勝利で最終予選を締めくくった。新リーダーとして期待され、先発して初のゲーム主将を務めたMF久保建英(24)=Rソシエダード=が1得点2アシストと大暴れ。

MF鎌田大地(28)=クリスタルパレス=も先制点を含め自身初の2発。1年後の26年6月11日に開幕する北中米W杯を見据え、チーム力の底上げを狙った森保一監督(56)の采配も光った。

 特別な舞台で、まばゆい輝きを放った。降りしきる雨の中、新リーダーの久保が主役となった。この2試合で初めて背負う10番に加え、チーム主将のMF遠藤が先発する中、ゲーム主将の大役を任されて1得点2アシスト。「信頼に応えたいというのと負けたらやばいなと。10番を背負った試合で結果を出せて良かった」と安どした。

 圧巻だった。まずは1―0の前半19分。ゴール左で町野のパスを受けると、左足の巧みなタッチで横にずらして相手を翻弄(ほんろう)。右足でゴールにたたき込んだ。VARチェックの後、数分遅れで正式にゴールが認められると、両手を高々と突き上げた。

 代表では初の右足弾で、これで代表で得点を決めれば7戦全勝だ。さらに鎌田の3点目をスルーパスでお膳立てし、町野の5点目をループパスでアシスト。主将の重責に「緊張してファーストタッチをミスっちゃった。そのくらいの重みがあった」と振り返ったが、「今日は僕が遠藤選手になったつもりで、切り替えのところを誰よりも早くやろうと心がけていました」。ボールを失った後に奪い返すなど守備でも奮闘。後半24分に途中交代するまで圧巻の存在感でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された。

 森保監督はゲームキャプテンを託した意図について「昨日まで迷っていたが、(遠藤)航と相談した中で、同世代の選手が多く招集される中でリーダーとしての期待を込めて」と説明。左腕に主将マーク、背中に10番をつけた久保は、指揮官の期待通り、いつもより責任を背負っていた。「W杯が決まっていてトピックがない中、僕自身のプレッシャーにもなった。4年くらい巻くことはないと思いますけど」と充実した表情だった。

 最高の形で最終予選を締めくくり、北中米W杯開幕まであと1年。「W杯という4年に1度の大舞台に、良いコンディションで臨めたら」。

日本の至宝が、目標に掲げるW杯優勝に導く。(後藤 亮太)

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