国民民主党は11日の両院議員総会で、夏の参院選比例代表への擁立を発表していた山尾志桜里元衆院議員(50)の公認を見送る方針を決めた。複数の出席者が明らかにした。

国民は5月に山尾氏の「公認内定」を発表したが、山尾氏の過去の不倫疑惑に批判が相次ぎ、擁立を維持すれば東京都議選や参院選など党勢への影響が大きいと判断した。出席者は、参院選に当たり「公認」に切り替わらず、比例名簿にも登載しないと説明した。

 山尾氏は10日に国会内で記者会見を開き、不倫疑惑を否定。ただ、否定理由については「いろいろな方に迷惑がかかるので控えさせていただきたい」「新しく言葉をつむぐことはご容赦いただきたい」など、事実上の説明拒否文言を連発した。2時間半に及んだ質疑応答で過去の疑惑を完全清算するまでには至らず、SNSを中心に批判の声が上がっていた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は同日、山尾氏の見送りについて「有権者や全国の仲間から、十分な理解と信頼を得られないと判断した」とし、榛葉賀津也幹事長は「9日の党会合で全国の都道府県連から公認見送りを求める声が出た」と説明した。山尾氏は21年の衆院選でも同党から比例東京ブロック単独1位での立候補を表明していたが、選挙前に取りやめていた。

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