吉本総合芸能学院(NSC)大阪校9期生の川畑泰史(吉本新喜劇)と兵動大樹(矢野・兵動)の「この先10年プロジェクト」第2弾、演劇「あのころの僕、これからの俺 ~タイムスリップ1970~」が12日、大阪市北区の扇町ミュージアムキューブで初日を迎え、2人と脚本・演出の益山貴司氏が取材に応じた。

 売れない63歳の芸人・田中マサオ(川畑)が大阪万博開催中の1970年にタイムスリップし、死んだはずの父・カツトシ(兵動)や少年時代の自身と“再会”することで巻き起こす騒動を描く、笑って泣ける1時間20分。

 ゲネプロを終えた川畑は「本番の気持ちでやったので、(12日午後7時開演の)1回目公演で二日落ち(緊張が緩んだ公演2日目に失敗すること)してまうんやないか」と冷や汗を拭きつつ、衣装のズボンのジッパーが全開のままだった“ゼロ日落ち”にも気づかない熱演を振り返った。

 兵動は「裏テーマは『何歳になってもチャレンジ』。同世代の方に見てもうて『あした何か始めようかな』と思ってくれたらうれしいし、カワバッちゃんの新しい試みというか“ピン芸”を見れるとこがあるんで。思ってたんと違う。まさかのブルースっぽいのになるんやと。その挑戦を見てほしい」と同期の桜をイジりつつ、見どころのひとつとして冒頭のギター弾き語りをアピールした。

 川畑と兵動の「この先10年プロジェクト」は、50代半ばの2人が「この先の10年後、どうなっているんだろう?」という疑問が沸き起こったことで、芝居への挑戦を決め、昨年6月に第1弾を上演したもの。益山氏は「お二人の挑戦をオマージュする『俺は10年後にオマエとうまい酒を飲みたいんや』というセリフも劇中にある。お二人に近い年齢というか、人生後半戦に花咲かせようという方に見ていただきたい」と50代、60代の人々に観劇を呼びかけた。

 川畑も「自分らの世代を中心に、若い女の子にも見ていただきたいな」とニヤリ。兵動も「私はオッサンでも大歓迎ですが、川畑泰史のために若い女性にもたくさん来ていただきたい」と笑わせた。オッサンらしいPRコメントに、報道陣から「元気やからチャックも全開だったんですね」とイジられた川畑は「元気やから開いてたわけやないです。

締めんの忘れてただけなんで」と再び冷や汗をかいていた。

 15日まで6公演。元宝塚歌劇団雪組男役&娘役の大湖せしる(だいご・せしる)らも出演。小籔千豊、ミルクボーイらの日替わりゲストも登場する。

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