関東大学サッカーリーグの慶大は22年に3部へ降格し、翌年に2部昇格。中町公祐監督(39)が就任した昨季は優勝で1部に舞い戻った。

*********

 「慶応以外で監督はできない」。きっぱりと中町監督は語った。

 2019年、J1横浜Mからザンビア(アフリカ)のZESCOユナイテッドFCに移籍後、ソッカー部の監督の誘いが非公式にあったというが、当時は現役へのこだわりが強かった。「サッカーをしている時が自分を誇れるタイミングだった」

 しかし、OB会長らからの熱心な誘いを受けて、2024年1月、「ソッカー部の監督として学生と過ごす自分の姿が、現役でやる姿をわずかに上回ったというか、イメージが湧いた」と監督就任を決断。浅海友峰氏(37)から監督のバトンを引き継いだ。

 プロ経験を生かした、選手目線の指導が持ち味。心理などを的確に捉え、田中主将も「より核の部分。ちょっとした試合中の心境の変化や感情とも含めて、選手としての視点はありがたい」と感謝する。戦術や技術以上に「サッカーを通じて人としてどう成長するのか」と人間形成も重視する。

 ◆中町 公祐(なかまち・こうすけ)1985年9月1日、埼玉県生まれ。39歳。群馬・高崎高を卒業した2004年にJ2湘南に入団、慶大入学。

07年の退団後は慶大ソッカー部に入部し、08年には関東大学リーグ1部昇格に貢献。10年にJ2福岡でプロ復帰。12年から18年まで在籍した横浜Mでは選手会長と副将を歴任。19年からザンビアでプレーし、23年に現役引退。24年1月に慶大ソッカー部の監督に就任。J1通算183試合15得点。

編集部おすすめ