JRAは6月16日、2025年度の顕彰者に今年3月で引退した音無秀孝元調教師を選定したと発表した。調教師としては2022年に選定された藤沢和雄さん以来、史上12人目となる。

 元調教師の橋口弘次郎さんが、音無元調教師の殿堂入りを祝福した。滋賀・栗東トレーニングセンターの坂路脇のスタンドで20年近く、音無元調教師とともに調教を見守ってきた。「彼は(1995年に)開業して少したってから、坂路にやって来たと思う。ずっと一緒にいたからね。弟みたいな存在です」。ともに宮崎県の出身。同郷で9歳下の「弟」が活躍する姿を間近で見守ってきた。

 橋口さんはJRA通算991勝を挙げ、引退した2016年に顕彰者に選定された。音無元調教師は通算996勝。1000勝には到達しなかったが、「橋口先生は抜いたから、それでいいんだ」と笑みを浮かべたこともある。「選ばれて本当に良かったと思う。俺と同じぐらいの成績を残して、引退したんだしね。

顕彰者に選ばれるというのは重みがあります。今までやってきたことが認められたというかね」と橋口さん。時に厳しく、時に楽しく―。同じ空間で互いに高め合った日々の先に、大きな勲章が待っていた。

編集部おすすめ