大相撲・元大関2代目増位山で、歌手としても活躍した沢田昇(さわだ・のぼる)さんが15日午後2時38分、肝不全のため死去したことが17日、分かった。76歳だった。

葬儀・告別式は家族葬で執り行う。

 初代・増位山の長男として生まれ、父が師匠を務めていた三保ケ関部屋に入門した。1967年初場所で初土俵、1970年春場所で新入幕。1980年初場所後に大関に昇進し、親子2代で大関となった。1981年春場所限りで引退。1984年に三保ケ関部屋を継承した。現役時代の72年に歌手デビューし「そんな夕子にほれました」「そんな女のひとりごと」などヒット曲を連発した。

 2013年の九州場所を最後に65歳で日本相撲協会を定年退職後は、歌手活動に力を入れていた。「親子で大関になれたことが最大の思い出。歌を通じて社会貢献したい」と語っていた。

 2022 年12⽉に体調不調を訴え、敗⾎症との診断を受けた。復帰に向けて療養とリハビリを⾏なうため、歌手活動を休⽌していた。

 所属事務所は「増位⼭太志郎は最期まで活動復帰できることを強く望んでおりました。相撲を愛し、歌を愛し、たくさんの⽅々に愛していただいた⼈⽣でした。これまで増位⼭太志郎を応援していただいたファンの皆様、全ての関係者の皆様に ⼼より感謝と御礼申し上げます」とコメントしている。現時点でお別れの会などを行う予定はないという。

 ◆増位山 太志郎(ますいやま・たいしろう)本名・沢田昇。1948年11月16日、兵庫県生まれ。先代の増位山の長男として生まれ、67年初場所で初土俵。80年初場所後に大関に昇進したが、81年春場所で引退。引退後は父から三保ケ関部屋を継承し、元大関・把瑠都、元小結・浜ノ嶋らを育てた。74年に歌手デビューし「そんな夕子にほれました」「そんな女のひとりごと」が大ヒットした。

編集部おすすめ