◆第1回しらさぎS・G3(6月22日、阪神・芝1600メートル)

 サマーマイルシリーズ開幕戦、第1回しらさぎS・G3(22日、阪神・芝1600メートル)で、メンバー唯一の3歳馬ダンツエランが一撃を狙っている。最軽量51キロでの出走は、最も重い馬とは8キロ差。

前身の米子Sがシリーズ対象レースになった2020年以降、3歳馬は好相性で、陣営が「夏の方がいい」と話す伏兵が波乱を呼ぶ。

 斤量差を生かして年長馬に挑む。メンバー唯一の3歳馬ダンツエランは17日、栗東のCWコースで汗を流した。「前回は桜花賞の疲れがありましたが、今回の方が雰囲気はいいですね」と担当の橋本助手は状態アップを伝える。

 初めての1200メートル戦だった前走の葵Sで、復調の兆しが見えた。中団で追走に手間取ったものの、上がり3ハロン最速の33秒3を使って追い上げ、勝ち馬から0秒2差の6着。昨年のファンタジーSで勝った時の末脚が戻ってきた印象だ。

 しらさぎSはハンデ戦ではないが、51キロの斤量で出られる点が大きな魅力だ。当レースの前身である米子Sがサマーマイルシリーズ対象レースとなった20年以降、3歳馬は2頭が出走。20年は50キロの3歳牝馬スマイルカナが見事に勝利した。昨年は54キロのノーブルロジャーが挑み、1番人気で4着だったが、勝ち馬とは0秒3差。軽量なら上位争いに加わって不思議はない。

今回のメンバーで見ると、一番重い斤量のレーベンスティール(59キロ)とは8キロの斤量差。「これはアドバンテージになると思いますよ」と橋本助手の手応えは十分だ。

 思えば昨年の新馬戦は、暑い新潟でのレースだったが、涼しい顔をして勝利した。「冬場は硬さが出るので、この馬は夏の方がいいと思う。昨年の夏も状態が良かったですから」。今週から気温が急上昇しているなか、“夏女”ダンツエランが波乱を巻き起こす。(山下 優)

 ◆サマーマイルシリーズ 12年からスタート。しらさぎS(昨年まで米子Sとして施行)、関屋記念、中京記念、京成杯AHの芝1600メートル4戦で、着順のポイントを争い、12点以上かつ1勝以上した馬のうち最上位が王者となる。優勝馬への褒賞金は計3000万円。12、16、18、19年は条件を満たした馬がおらず、同時優勝は15年(スマートオリオン、レッドアリオン)、17年(ウインガニオン、グラシルク)の2度。21年以降の近4年は米子Sを制した馬(21年ロータスランド、22年ウインカーネリアン、23年メイショウシンタケ、24年トゥードジボン)が王者に輝いている。

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