◆プロボクシング ▽WBO世界ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・ブライアン・ノーマン―同級2位・佐々木尽(6月19日、大田区総合体育館)

 日本人初のウエルター級世界王者を目指すWBO同級2位の佐々木尽(23)=八王子中屋=が18日、横浜市内のホテルで前日計量に臨み、同級王者・ブライアン・ノーマン(24)=米国=とともに、リミットの66・6キロでクリアした。計量は、試合の観戦チケットを持参した約20人のファンに公開して行われた。

 計量後のフェースオフ。右手首にバンダナを巻いた佐々木は、ノーマンににじり寄って視線をぶつけた。終了を促されてスタッフから肩をたたかれても、両者は視線を外そうとせず、佐々木はさらにノーマンに顔を近づけて目に力を込めた。31秒後、中屋廣隆チーフトレーナーにも引っ張られる形で引きはがされ、握手をすることなく別れた。ノーマンは余裕の笑みを浮かべていたが、佐々木は最後まで厳しい表情を崩すことはなかった。

 「目を全然離さないぞ、もうこのまま、一日でもやってやろうぐらいの気持ちでした」とフェースオフを振り返った佐々木は「目を見合った感じ、これ俺の方が強いなっていうのはめっちゃ感じて、これいけるわ、と思いましたね」と目を輝かせた。

 視線を外さなかった理由については「やっぱり目っていうのは、人の脳が出てる場所だと思う。考えてることも分かるし、そのレベルが分かるんですよね。生物的なレベルというか。見た時に、これ俺の方が強いなって、動物として思いました。技術うんぬんというよりも、生物的な強さで明日は勝敗がつくじゃないかなっていうのは感じてます」と持論を述べた。

 別れ際のノーマンの笑みについても「やっぱなんかちょっと不安なのかなと。

ちょっとビビってんだと思いました。恐怖を感じてるんじゃないかなと思います。明日勝つ、明日倒してやるよ、という感じです」と強気に語った。

 ウエルター級世界戦の日本開催は、1989年12月10日に東京・後楽園ホールで尾崎富士雄(帝拳)がWBA王者マーク・ブリーランド(米国)に挑戦し4回TKO負けして以来、36年ぶり。日本人選手の同級での世界挑戦は、2009年10月3日に佐々木基樹(帝拳)がWBA王者ビチェスラフ・センチェンコ(ウクライナ)に挑戦して判定負けして以来16年ぶり6度目(5人目)となる。

 戦績は佐々木が19勝(17KO)1敗1分け、ノーマンが27勝(21KO)2無効試合。

 興行は、NTTドコモの映像配信プラットフォーム「Leminoプレミアム」で配信される。

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