大相撲の伊勢ケ浜部屋が18日、名古屋場所(7月13日初日・IGアリーナ)に向け、毎年恒例の大阪・堺市での合宿をスタートさせた。元横綱・照ノ富士の伊勢ケ浜親方が部屋を継承後、初めて稽古を公開。

力士一人一人に身ぶり手ぶりを交えながら、約4時間にわたり、熱のこもった指導を行った。また、9日付で日本相撲協会を退職した元横綱・白鵬さんの元弟子で、旧宮城野部屋の幕内・伯桜鵬らが複雑な胸中を明かした。

 気温30度を超える中、午前7時30分から約4時間、みっちりと稽古を行った。関取衆による申し合い稽古だけでも60番以上。伊勢ケ浜親方の厳しいゲキが飛び、角界屈指の稽古量と稽古場の緊張感は変わらなかった。稽古後、取材に応じた同親方は「この部屋で自分は育ってきて、これをやってきたから強くなったという意識がある。今までやってきたことを続けているだけ。体づくりに重きを置いている」と語った。

 前師匠だった元横綱・旭富士(現宮城野親方)の定年に伴い、9日付で部屋を継承した。「これだけの部屋を継いだ。これ以上に発展させていかないといけない」。その思いが、身ぶり手ぶりの指導にも表れた。

 弟子も決意を新たにする。幕内・伯桜鵬(21)は申し合い稽古で22番とり、初日からエンジン全開。9日付で部屋付き親方だった元横綱・白鵬さんが日本相撲協会を退職した。昨年4月、旧宮城野部屋からともに転籍をしてきた伯桜鵬は「もう決まったことなので、仕方ない。やっぱり自分の憧れの人だったので、寂しい思いもある」と退職後、初めて心境を口にした。白鵬さんからは最後に「強くなるしかないぞ」という言葉を掛けられたといい、「また幕内で優勝争いをしたい」と活躍を誓った。

 同じく転籍してきた炎鵬(30)は「自分の人生なので、やることは今までと何も変わらない。自分を貫いていきたい」と前を向いた。

 決意を胸に、新生・伊勢ケ浜部屋が動き出した。

 ◆旧宮城野部屋から転籍した現役力士 幕内・伯桜鵬を筆頭に、幕下の炎鵬、川副、松井、天照鵬、聖白鵬、三段目の大ノ蔵、泉翔鵬、竹葉が伊勢ケ浜部屋に所属。

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