NHK朝の連続テレビ小説「澪つくし」や大河ドラマ「独眼竜政宗」などで知られる脚本家のジェームス三木(じぇーむす・みき、本名・山下清泉=やました・きよもと)さんが死去していたことが18日、分かった。91歳だった。

歌手としてデビュー後、脚本家に転身。数々の傑作を世に送り出した。一方で、過去には妻に女性遍歴を暴露されるなど艶福家としても知られた。

 旧満州生まれで戦後大阪に引き揚げた。市岡高校卒業後は俳優座養成所に入所。同期には平幹二朗さんがいた。俳優として活動していた1955年に、レコード会社の新人コンクールに合格して歌手に転向。ただ、ヒット曲には恵まれず、13年間鳴かず飛ばずの生活が続いた。その間にシナリオコンクールに応募すると入選。「砂の器」「八つ墓村」などで知られる映画監督の野村芳太郎さんに師事し、脚本家の道を歩み始めた。

 俳優、歌手では芽が出なかった三木さんだが、脚本家としては、ヒットメーカーの道を歩むことになる。自らタイトルも考案した85年放送の「澪つくし」(主演・沢口靖子)は平均視聴率44・3%を記録。

沢口にとっても出世作となった。渡辺謙が人気俳優のきっかけとなった87年の「独眼竜政宗」は、平均視聴率が39・7%。これは現在も歴代大河最高の数字としてさん然と輝いている。

 その後も大河ドラマは「八代将軍吉宗」(95年、主演・西田敏行)「葵 徳川三代」(2000年、主演・津川雅彦、西田敏行)の2作品を担当。80歳を過ぎた16年にもフジテレビ系「松本清張スペシャル 一年半待て」、舞台「雲の上の青い空」を手がけるなど健筆をふるった。

 プライベートでも世間をにぎわせた。女性好きを公言し、1992年には前妻が暴露本「仮面夫婦」を出版。三木さんの女性遍歴を告白した同書で、過去に関係のあった100人以上の女性のデータが書き込まれたノートの存在が明らかになった。その後も、取材や雑誌の連載などでは女性の好みを語り、2015年の脚本を担当したドラマの会見では、出演者の壇蜜に「僕は壇蜜さんのファン。上品なスケベであこがれています」と話すなど、女性好きを隠すことはなかった。

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