日本陸上競技連盟は20日、東京世界陸上(9月13~21日)の日本代表選考を兼ねた日本選手権(7月4~6日、東京・国立競技場)のエントリー(登録)リスト(暫定版)を発表した。

 5月3日の静岡国際女子400メートルで日本記録(51秒75、丹野麻美)より速い51秒71をマークして優勝したフロレス・アリエ(日体大3年)がエントリーリスト(暫定版)に入り、日本選手権に初出場する。

静岡・浜松市出身のフロレスは、父はペルーと日本、母はペルーとイタリアにルーツを持ち、ペルー国籍だったが、18日に日本国籍を取得したことが官報で告示されたばかり。日本選手権の参加資格のひとつに「日本国籍競技者」があり、今大会のエントリー締め切りは12日だったが、12日~19日まで資格審査の期間が設けられており、ぎりぎりで間に合ったようだ。100メートル、200メートルにもエントリーした。

 400メートルでは開催国参加標準記録(51秒74)を突破しており、東京世界陸上出場を狙う逸材として期待される。日本選手権には念願の初出場。5月の関東学生陸上選手権で優勝した際には「日本国籍を取得できたら日本記録にも挑戦したい」と意欲的に話した。期待と注目度が上がっていることに関して「たくさんの人に支えてもらっていると考えたら、それを競技につなげられると思います」と前向きに話している。フロレス・アリエの走りは今大会の見所のひとつとなる。

 すでに東京世界陸上日本代表に内定している女子やり投げで23年ブダペスト世界陸上、24年パリ五輪金メダルの北口榛花(JAL)は2年連続5回目の優勝を目指す。

 同じく世界陸上日本代表に内定している男子3000メートル障害で21年東京五輪7位、24年パリ五輪8位の三浦龍司(スバル)、男子110メートル障害で24年パリ五輪5位の村竹ラシッド(23)=JAL=はエントリーしなかった。

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