国士舘大は20日、男子柔道部の複数の部員が大麻を使用した疑いが強まったとして、東京・世田谷区の大学内で会見を開いた。田原淳子学長、熊迫真一副学長兼学長室長、武井幸二学生部長、美納淳一スポーツプロモーションセンターサブチーフディレクターが出席。
国士舘大によると、大麻を使用にした疑いがある部員は6名で、1年生が2人、2年生が4人。この日までに警察署から東京・町田市の鶴川寮に戻り、大学からの聞き取りを受け、大麻使用の事実を認めたという。現在も鶴川寮は町田警察署から家宅捜査を受けている。当該部員に対しては「学則違反として厳正に処分する」とした。柔道部は事案発覚後の14日から無期限での活動を停止し、28日、29日に行われる全日本学生優勝大会(日本武道館)への出場は辞退することを決めた。
発覚後の経緯としては、武井学生部長によると、13日午後10時半頃に学生から「(柔道)部員数名が大麻を吸っている」と大学側に情報提供があったという。翌14日に当該部員に聞き取りを行い、同日に警察に相談。同日付で90人の柔道部は活動停止とした。廃部について、田原学長は「現時点で考えておりません」とした。学生寮は同じ部の2名1室で生活しており、聞き取りによると当該の6人は大麻と認識した上で、寮内の一室で使用していたことを確認。
16日に事案を大学のホームページで公示し、田原学長らを含んだ19人で構成する「危機対策本部」を設置し、本格調査を開始。在学生には違法薬物に関する注意喚起を掲載した。17日以降に学生や保護者、卒業生らに向けた説明・陳謝、課外活動全般への説明と注意喚起、再発防止に向けた課題の検証と措置の協議を続けている。19日から鶴川寮に居住する柔道部、サッカー部、硬式野球部に個別の聞き取りを開始した。
国士舘大柔道部は1956年に創部し、23年全日本学生優勝大会で通算7度の優勝の強豪。04年アテネ五輪金メダリストで男子日本代表監督の鈴木桂治氏ら多くの実力のある柔道家を輩出してきた。現在、日本代表のB強化指定選手に複数選手が選ばれているが、今後の活動について、田原学長は「現時点では何も決まっていない」と話した。