◆レスリング 明治杯全日本選抜選手権 第2日(20日・東京体育館)
世界選手権(9月・ザグレブ)代表選考会を兼ねて行い、男子フリースタイル86キロ級で昨夏のパリ五輪代表、石黒隼士(自衛隊)が、4戦全勝で優勝した。その後に行われたプレーオフも制して世界選手権代表に内定した。
2年ぶり3度目の優勝を決めた後に臨んだ全日本選手権を制した白井達也(TeamSSP)とのプレーオフ。開始早々、主導権を握ると、相手をタックルからバックを取って何度も転がし、54秒のまさに“秒殺”でライバルを退けた。「しっかりと決められて良かった。タックルを取ってから、しっかり得点を重ねるというところで、アメリカでやってきたことをちょっと出せたかな」と成果を口にした。
昨夏のパリ五輪でまさかの2回戦敗退。メダルラッシュに沸く日本勢のなか、一人、蚊帳の外だった。一時は引退もよぎったが、米国で武者修行を積むなどして再起に向け歩き出した。先に兄・峻士もフリースタイル92キロ級で代表に内定していたが「おめでとうという気持ちはあったんですが、自分のことで精いっぱいで、兄のことまで気にしていられなかった」と自分に集中して手にした代表の座だった。
世界選手権では「もちろん、勝つことを目標にやっていくんですが、自分のレスリングをどこまで体現できるかということをこれから2か月突き進めたい」と誓いを立てた。