「受け身が違うなと毎日感じています」…ウルフ・アロン、会見後に記者に明かした「柔道」と「プロレス」の違い…来年１・４東京ドームデビュー (2025年6月23日)

新日本プロレスは２３日、都内のホテルで緊急記者会見し柔道男子１００キロ級で２０２１年東京五輪金メダルのウルフ・アロン（２９）が新入団することを発表した。日本人五輪金メダリストのプロレス転向は史上初となる。 記者会見を終えたウルフは、記者の囲み取材に応じた。 ―会見を終えて。 ウルフ「どんなことを話そうかなというふうに、いろいろ文章を考えていたんですけど、ちょっと話ながら違う気持ちも出てきて……でもまずはこの入団会見をしっかりと。この入団会見をやり終えて今はホッとしています」 ―実際に練習を初めて？ ウルフ「どうなればいい感じなのかってところすらもわからない状態から始めているので、今できなかった受け身とかがチョイっとずつできるようになったりとか、プロレスラーとしての動きができなかった部分がちょっとずつできているような気がしたりとか、そういったところ一つ一つに重みを感じている段階いなので。間違った技術にならないようにしっかりと、周りの練習生たちと動きを見て、聞いたりしながら自分の形にしていきたいなと思っています」 ―いろんなところで違いは？ ウルフ「靴を履いておこなうので、柔道だとランニングとウエイトトレーニングだけ靴で、柔道をやるとなると裸足の状態が基本なので、今靴を履いてリングに上がることに少し苦労していますね。どうしても靴を履いていると足の裏が筋肉痛になるので、そういったところもちょっとずつ分厚くなっていくのかなとか思いながらやっていますね」 ―柔道家としては緻密に戦術を練る戦い方だった？ ウルフ「ただその柔道で緻密にやるって段階を、柔道っていう競技をある程度自分のなかで土台を作って、自分の柔道スタイルを作った段階からじゃないと緻密に考えられなかったというか、そうじゃないと緻密に考えたところで何も技術がなかったらできないので、今はまず自分の土台を作って技術を伸ばしていって、できなかったことができるように、できることを伸ばしていって。考えられる状態までもっていくというところ、その段階かなと思います」 ―プロレスで柔道技を出すイメージは？ ウルフ「そこまで柔道技の種類が多い方ではなかったので（笑）。大内刈りと内股くらいしかないので、まずはちゃんとしたプロレスをできるようになってから。まずはそこが一番大事だと思っています。ちゃんとしたプロレスの動きをすべてできるようになってから、そこに自分がやってきた柔道の技や動きを足していくっていう作り上げ方をしたいなと思います」 ―どの方向を目指したい？ ウルフ「いや、今のところはないですね。プロレスの動きができるようになってから、自分はどっちの方向のほうが伸びるのか、できるのかってところを見ていきたいなと思うし、やっぱり柔道で見てた部分とかもあるので、そういったところをいかにして動かしていくのか、しっかり自分の身体をメンテナンスしていきながら成長したいと思います」 ―スタミナは大丈夫そう？ ウルフ「柔道も晩年はスタミナが無くなっていると言われていたので、しっかりと東京（五輪）の頃の肉体にも戻せるように準備していきたいと思います」 ―どのようなプロレスラーになっていきたいか？ ウルフ「やっぱりすべてを表現したいなと思っていて、柔道っていう競技だと試合のうえでの表現がすべてだったところもあるので、試合だけでなく試合前、試合後もすべてのうえで自分の生き様っていう表現できるプロレスラーになっていきたいと思います」 ――自身のプロレスセンスは？ ウルフ「いや、わかんないですね（笑）。そんな段階ではないですね。たぶんセンスどうこうの段階ではないので、そこに達していないです」 ―デビュー戦はどんな試合にしたい？ ウルフ「まずはシッカリとしたプロレスをやりたいなと思っています。最初から柔道の技を入れたりとかではなく、シッカリとプロレスができる状態にあと半年間で作り上げていこうと考えています」 ―将来目指すタイトルは？ ウルフ「もちろん『ワールドプロレスリング』を観ていた身としては、ＩＷＧＰのヘビー級をとりたいなという気持ちがありますけど、まあそれも今考えていることではないかなと。柔道のときもホントに一つ一つを達成していったので、まずは目の前の目標を一つ一つクリアしていって、そこに向かっていけたらなと思っています」 ―同じ柔道界からだと小川直也さんがプロレスラーに転身。同じ柔道家の動きは参考に？ ウルフ「いや、そこまで参考にしてないですね。やっぱり僕自身であったらどうやるかなって考えかたでやっているので。参考ってよりも、見させてもらった部分はありましたけど、自分として土台をしっかり作ってやりたい気持ちが強いので、僕が目指すプロレスラーになるためにはまずは底をやらなきゃいけないという考えですね」 ―プロレスラーとして一番の違いを感じる部分は？ ウルフ「受け身が違うなと毎日感じていますね。柔道でもプロレスでも受け身ってのは、もともと体のケガをしないためのものだと思うんですけど、畳とマットの違いというのがあって、畳の上でする受け身とマットの上でする受け身が一緒ってことはないので。マットの上での受け身に慣れるってところで少し苦労していますし、その違いを痛感していますね」