22日に胆管がんのために亡くなった空手家でジャーナリストの山崎照朝さん(享年77)は、漫画家・ちばてつやさんの代表作の一つ「あしたのジョー」で、主人公・矢吹丈の最大のライバルである力石徹のモデルとして知られた。生前、スポーツ報知の取材に当時の思いを明かしていた。
山崎さんは大山倍達(ますたつ)氏が創始した極真空手において、初期の高弟として「城西の虎」こと「世界空手道連盟士道館」の総帥・添野義二と並び、「日大の龍」と呼ばれた。そのつながりが、力石誕生につながった。
「あしたのジョー」の原作者である「高森朝雄」こと梶原一騎さんは、大山氏を主人公とした「空手バカ一代」の原作を手がけているように、かつて大山氏と親交があった。その関係で、山崎さんのこともよく知っていた。生前の山崎さんによると、ある日大山氏を通じて梶原さんが「会いたい」と連絡をしてきたという。
梶原さんのことをよく知らなかったという山崎さんは自宅を訪問し、書斎で待っていると部屋に入って来た梶原さんにこう言われた。「ジョーに力石っていうライバルができたんだ。モデルはオマエだ」。ただ、その当時は「あしたのジョー」は連載が始まっていたものの力石はまだ登場しておらず。「世の中に出ていないんだから、分からないよね」と半世紀近く前の思い出を笑いながら語っていた。
ちなみに、自身が「あしたのジョー」に登場することについては「全然興味を持っていなかった」。ただ、自分の姿が、どんな格好で描かれているのかは気になって、漫画を読んでみたという。