プロボクシング前WBC世界ミニマム級王者の重岡優大(28)=ワタナベ=が13日、自身のインスタグラムで現役引退を表明した。弟の前IBF世界同級王者・銀次朗(25)=ワタナベ=は5月のIBF同級タイトルマッチ後に急性右硬膜下血腫のため開頭手術を受け、現在も意識は戻っていない。
6歳から兄弟で格闘技を始め、ともに歩んできた。23年4月16日、優大がWBC同級暫定王者となり、銀次朗もIBF同級暫定王者に。世界初の同日同一階級での兄弟世界王座獲得を果たした。「銀がいたから、俺はここまで来られた」という優大は「『ここに行けば銀次朗に会える!』そんな場所を作ります。それが俺の新しい夢です。そのために俺も引退を決意しました。後悔はありません」と引退を決断した理由を明かした。
今年3月にWBC同級王者メルビン・ジェルサエム(フィリピン)に判定負けし、王座奪還に失敗。ライトフライ級での再起へ向け練習を再開した直後に銀次朗の事故が起こり、以降は銀次朗に寄り添い続けていた。「ここからが本当の勝負だろ」とつづった優大は「新しい道で銀と一緒に花を咲かせます」と新たな夢へと歩み出すことを誓った。
◆重岡 優大(しげおか・ゆうだい) 1997年4月16日、熊本市生まれ。28歳。アマチュア82勝(20RSC)10敗の戦績を残し、拓大中退後の2019年10月にB級プロデビュー。22年11月に日本ミニマム級王座を獲得。23年4月にWBC世界同級暫定王座を獲得。同年10月、王座統一戦を制してWBC世界界同級正規王者に。24年3月、2度目の防衛戦で敗れ王座陥落。25年3月、世界再挑戦も判定負け。プロ戦績は11戦9勝(5KO)2敗。身長160センチの左ボクサーファイター。