◆第27回新潟ジャンプステークス・JG3(8月16日、新潟競馬場・芝3250メートル)

 第27回新潟ジャンプS・JG3が16日、新潟競馬場で行われ、1番人気のインプレスが障害重賞初制覇を決めた。管理する佐々木晶三調教師(69)=栗東=は、史上8人目となるJRA全10場重賞制覇を達成。

1馬身差の2着にサイードが入り、前田幸治氏の所有馬によるワンツー決着となった。

 来春で定年引退となる名伯楽に、新たな勲章が加わった。キズナやタップダンスシチーなどのG1馬を育てた佐々木調教師は、15年小倉サマージャンプを勝って全10場重賞制覇にリーチ。10年後、新潟重賞ラスト参戦(新潟2歳Sと新潟記念は出走予定なし)で欲しかったタイトルを射止めた。レース史上3人目の連覇を果たした小牧と抱擁した指揮官は「ラストチャンスだったし、最後は『落ちないでくれ』と見ていた。これにて廃業(笑)。感無量です」とジョークを交えて喜びを爆発させた。

 指揮官の強い思いが伝わった。向こう正面で強気に動く横綱相撲。軽快に逃げるマイネルエールを最終障害でかわすと、ライバルを1馬身差で振り切った。小牧は「自信を持って乗りました。デビューからずっと面倒を見ていただいてますし、このレースにかける気持ちが強かったので」と安どした。

 インプレスの馬名の由来は『印象付ける、感動させる』。父は佐々木師をダービートレーナーにしたキズナだった。「ドラマチック。最後の最後でこういう馬が出てくるとはね」と歴史に名を刻んだ親子に思いをはせた。次は東京ハイジャンプ・JG2(10月19日、東京)で重賞連勝を目指す。(浅子 祐貴)

 インプレス 父キズナ、母ベアトリス2(父ドクターフォン)。栗東・佐々木晶三厩舎所属の牡6歳。北海道千歳市・社台ファームの生産。通算25戦9勝(うち障害8戦5勝)。総獲得賞金は1億7140万2000円(うち障害1億403万5000円)。重賞初勝利。馬主は前田幸治氏。

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