◇陸上 アスリートナイトゲームズ 最終日(16日、福井県営陸上競技場)
男子110メートル障害予選で昨年のパリ五輪5位入賞の村竹ラシッド(JAL)が12秒92(追い風0・6メートル)の日本新記録で優勝した。従来の記録は村竹と泉谷駿介(住友電工)が持っていた13秒04。
日本新記録に加え、06年の劉翔(中国)のアジア記録(12秒88)まで0秒04、12年のメリット(米国)の世界記録(12秒80)まで0秒12と肉薄。今季では世界2位、昨年パリ五輪のホロウェー(米国)の金メダルタイム12秒99を上回った。「120点、140点くらいはつけても良いんじゃないかな」。同競技場は17年に男子100メートルの桐生祥秀が日本勢初の9秒台を出したことで「9・98スタジアム」と名付けられた。決勝前「12・98スタジアムに変えたいねって話していたら、それ以上の記録が出た」と爽快に笑った。
昨年のパリ五輪入賞者のため、今年4月に参加標準記録(13秒27)を上回る13秒14をマークして内定。今シーズンは世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)を中心にレースを転戦。6月のDL第8戦パリ大会では予選、決勝で13秒0台をそろえるなど高いレベルで安定した成績を残していた。
9月13日開幕の東京世界陸上まで1か月を切った。「1回で終わらせちゃ絶対にダメだと思う。それ以上を狙う。12秒台でメダル獲得」と東京・国立競技場で、日本陸上界の歴史を塗り替える準備を整える。