お笑いタレントの山口智充が17日、大阪市中央区の読売テレビで開催された同局の冠番組「グッと!地球便」(日曜・前10時25分)の「グッさんとファンミーティング」に出演。リアルタイムでオンエアされた「タヒチSP」を視聴し、トークショーや番組テーマ曲「ハイホー」の弾き語り、そしてロケ地でも披露した「鼻笛」の生演奏などで盛り上げた。
ファンミーティングは2年連続2度目の開催。集まったファンの旅にまつわるエピソードを聞きながら交流した。ある女性がモンゴルの草原で乗馬を初体験したところ、並走していた少年インストラクターが馬具の不調で途中リタイア。仕方なく一人でゴール地までたどり着いたと話すと「馬で思い出したんですけど、僕は牛」と海外での“九死に一生”の思い出を語りはじめた。
「昔、超若手時代に(別の)番組でメキシコに行って、闘牛やったんです。坂田利夫師匠もいてるんですよ。2~3000人が集まってる闘牛の会場で(メインの)闘牛が終わり、司会者が『続いては闘牛体験だ。闘牛するのはコイツだ! ミスター・サカータ!』って。僕ら何も聞いてないんですよ。そしたら坂田師匠は『え~、ワシ無理や~。オマエ行け~』言うて。番組スタッフも『山口さん行ってください』言うから、衣装着せられて帽子かぶらされて。
突然、ぶっつけ本番で闘牛士に仕立てられたというのだ。
「カチャッてゲート開いたら、漫画に出てくるような牛! ホンマに、こうズリッとやってるんですよ」
足を地面にこすりつけて闘牛士を威嚇する牛を表現して見せた。
「見たことあるアレをやればいいのかと、赤い布(ムレータ)をこう(体の横でヒラヒラ)してたんですよ。ここに来るかなと思ったら、牛がドスッとここに来たんですよ」
指さしたのは自身の腹。ファンから悲鳴が上がる。
「吹っ飛ばされて倒れて。これは死ぬと思ったんでブワーッと走ったんですよ。逃げてこれくらい(自分の身長より少し高い)の塀をパ~ンと乗り越えて。命かかったときの人間の力ってすごいですね。それで観客席に転がり落ちたんです。そしたら(周囲の観衆が)『大丈夫か?』言うて集まってきて。
すると司会者は「面白いからもう一度やれ」と悪ノリしてきたという。現地のコーディネーターも「山口さん、もう一度だけ」と懇願。仕方なく山口は再びフィールドに降臨した。
「さっきので分かったんで、次はこうやって(体ごと)よけて(成功)。そしたら(観衆は)『笑わしといて次は決めんのかい!』言うてウワーッと。会場がひとつになって『サッカッタ、サッカッタ!』のコール。これ聞いて坂田師匠は『すまんな。ようやったな』て」
何にもしてないのにスタンディングオベーションで名をコールされた坂田師匠は、まんざらでもなかった様子。
「次の日のメキシコの新聞にも『ジャパニーズコメディアンのサカタが』って、全部坂田師匠になってた。デモンストレーション用の牛で角を丸くカットしてたそうですけど、今なら完全にテレビ的にアウト」と振り返っていた。
「―地球便」は開始から18年目で、この日が802回目の放送。訪れた国と地域は101に達する。山口は「もうぼちぼち1000回ですか。1000回スペシャルやろうと思ったらあと4年かかる。ちょうど僕は60歳。還暦の僕が旅している姿を皆さんに見せてあげたいですね。期待してください」と話してファンの喝采を浴びていた。