◆第104回ジャックルマロワ賞・仏G1(8月17日、ドーヴィル競馬場・直線芝1600メートル、稍重)=JRA海外馬券発売対象レース

 欧州のマイル路線の最高峰G1は10頭立て(ロザリオンは出走取り消し)で行われ、日本からの参戦で1番人気に支持されたアスコリピチェーノ(牝4歳、美浦・黒岩陽一厩舎、父ダイワメジャー)は、クリストフ・ルメール騎手を背に道中は3、4番手から進めたが終始、前が壁。馬群がばらけてからも伸びを欠き、6着に敗れた。

 同馬は2023年6月に東京・芝1400メートルでデビューし、新潟2歳S、阪神JFと3連勝でG1初制覇。2024年の桜花賞、NHKマイルCでも2着に入り、世代トップの力を示し続けた。海外初挑戦の昨年11月ゴールデンイーグル(豪州)は12着に敗れたが、今年2月の1351ターフスプリント・G2(サウジアラビア)でウインマーベルをゴール前で差し切ってV。続くヴィクトリアマイルでも鋭く伸びてゴール前の接戦を首差で制していた。

 ジャックルマロワ賞は1着賞金が約9321万円(57万1400ユーロ=フランスギャロ発表の2025年レートの1ユーロ約163・132137円で計算)。挑戦した日本馬は86年ギャロップダイナ(12着)に始まり、今年の2頭を含めて7頭。1998年にタイキシャトル(岡部幸雄騎手)が制覇している。

 愛国のディエゴヴェラスケス(クリストフ・スミヨン騎手)がG1初勝利(重賞は5勝目)で、勝ち時計は1分34秒23。頭差2着が英国のノータブルスピーチ(ウィリアム・ビュイック騎手)。英国のダンシングジェミナイ(ロッサ・ライアン騎手)が3着。今回がG1初挑戦で岩田望来騎手とコンビのゴートゥファースト(牡5歳、栗東・新谷功一厩舎、父ルーラーシップ)は、じわじわ脚を伸ばして5着に健闘した。

 ルメール騎手「いいスタートを切れて、オブライエン厩舎の馬(ザライオンインウインター)の後ろにつけられました。

道中はリラックスしてましたが、ペースが遅かったことと前の馬が下がってきて残り400メートルで位置が悪くなってしまったこともあり、止まることはなかったけど、加速することができませんでした。直線も芝も昨日から速い馬場だったので合うとは思いますので、もっとハイペースならいい結果だったと思います。ただ、最後に同じ位置にいたノータブルスピーチは加速できて、アスコリピチェーノのは加速できなかったので、その差はあったかもしれません」

 黒岩調教師(アスコリピチェーノ=6着)「いいスタートを切り、ための利くポジションでしたが外ラチに馬群が集まって、少頭数でタイトな馬群になっていきました。スローペースでさらに馬群が凝縮し、下がってきた馬がいて位置取りが下がり、自分の競馬をさせてもらえなかったのですが、最後も差を詰めることができませんでした。展開とは別の部分で反応の物足りなさもありました。きょうは残念でしたが、挑戦を続けていけたらと思います」

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