◇男子プロゴルフツアー ISPSハンダ夏の決戦トーナメント 第3日(23日、北海道・ブルックスCC=7286ヤード、パー72)

 24位から出たツアー2勝の幡地隆寛(32)=フリー=が10バーディー、ボギーなしでツアー自己ベストスコアの62をマークし、通算18アンダーで今季初の首位に浮上した。スタート前にトイレの個室で、元世界ランク1位で海外メジャー5勝のブルックス・ケプカ(米国)のスイング動画をチェックし、イメージが劇的に良化。

10試合を終えて獲得賞金はわずか45万円と低迷中の今季だが、優勝賞金4260万円の高額大会でツアー屈指の飛ばし屋がよみがえる。

 スタート30分前、幡地は携帯電話を片手に、トイレの個室で歓喜した。電波状況が不安定な会場で、スマホのアンテナがしっかり立っていた。すぐにケプカのスイング動画をチェックし「これだと思った」と開眼。テイクバックで右足を踏ん張る動きを、脳にすり込ませた。1番の残り150ヤードの第2打は「きた。イメージ通り」。9アイアンでピンそば1メートルに絡めるバーディー発進で波に乗った。

 昨季、初優勝を含む2勝を挙げた。「この先何をしよう」と思い悩み、今年2月から目澤秀憲氏(34)に師事。スイング改造に着手した。米ツアー1勝のミンウ・リー(豪州)のスイングを参考にしたこともあったが、5月に左肩を痛めて方向転換。

188センチ、98キロの飛ばし屋は「もう少し自分のインパクト周辺の感覚を生かせる方向性にしたい」と悟り、最近はケプカの「完コピ」を目指している。

 今季10試合を終え、52位が最高と低迷が続く。今大会の優勝賞金は今季最高の4260万円。「今年は40万円しか稼いでいないですからね。ハーフターンをしてチャンスがあればスイッチを入れたい」。前週は背中痛で途中棄権したが、今回は体調万全。鼻息荒く、頂点を狙いにいく。(高木 恵)

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