香港の歴史的名馬ゴールデンシックスティは昨年9月に引退し、現在は北海道苫小牧市のノーザンホースパークで生活している。G1を10勝もした世界的名馬の素顔を取材した。
今年10歳。けい養当初から世話をしている乗馬運営課の田澤直沙美(まさみ)さんに話を聞いた。強い馬は気性が荒いイメージがあるが、「可愛いなっていうのが一番の印象。可愛い表情が特徴的」という。
日本馬で大の仲良しがいる。来てすぐにクォーターホース(サラブレッドよりやや小さい品種。牧畜や乗馬、競走用に用いられる)のジョン(27歳)と仲良くなったといい、現在はジョンと同じ放牧地で日中多くの時間を過ごしている。「ジョンは27歳のおじいちゃんホース。孫とおじいちゃんぐらいの年の差なんですけど、すごく仲が良くて」。
一般公開する前日に初めて顔を合わせた2頭。「ジョンの方がすごく穏やかな馬なので、お互いすぐに打ち解け合って。次の日にはもう、ずーっと2頭でグルーミングしたり。
最近はジョンのお尻を追いかけるのがマイブームだというゴールデンシックスティは、取材中も放牧地でずっとジョンを追いかけていた。「かまってほしいんですよね。『遊んでほしい~』ってずっと追いかけています。そういうところが香港最強馬とのギャップがあります。こんなに甘えん坊なんだなって」。仕事でジョンが放牧地を離れ、再び戻ってきた時にはすぐに入り口までジョンを迎えに来るゴールデンシックスティ。第2の馬生も楽しく過ごしている様子に心が温かくなった。