8月23、24日に札幌競馬場で開催された世界とJRAのトップ騎手が争う「2025ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」は、初出場初来日のトール・ハマーハンセン騎手(25)=ドイツ=が、ベルギューンに騎乗した第3戦で2連勝を飾って早々と優勝を決めた。第4戦はルクスドヌーヴで10着に終わり、最終ポイントは73点。

2位は66点を挙げたクレイグ・ウィリアムズ騎手(48)=豪州=、3位に40点の坂井瑠星騎手(28)=栗東=が入った。チーム対抗戦は246点対202点で世界選抜チームが現名称になってから9回目で初勝利を果たした。

 記録にも記憶にも残る手綱さばきで日本のファンをとりこにした。ハマーハンセン騎手は初日に42点を挙げて首位ターンをして、第3戦は好位2番手から4角先頭で3馬身差をつけて押し切った。1番人気に応えてひと足早く優勝を決める、積極的な騎乗スタイルはお見事だった。「(優勝する)夢がかないました。(第3戦は)完璧なレース。もともと自分の得意なスタイルが日本の競馬のスタイルと似ていて、ペースが速いところなど、あまり苦労せずにアジャストできました」と、白い歯をのぞかせて喜んだ。

 昨年は母国で年間74勝を挙げて初のリーディングを獲得して、伸び盛りの才能を誇る25歳だ。「日本に来て色々なことを学ぶことができました。日本が大好きですので、また日本に戻ってきて皆様の前でレースをしたいです」と、資格を得た短期免許での来日にも意欲を見せた。端正なマスクも魅力な長身ジョッキーとは、また近いうちに日本で見られる予感がする。

(坂本 達洋)

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