◆女子プロゴルフツアー CATレディース 最終日(24日、神奈川・大箱根CC=6652ヤード、パー72)
最終ラウンドが行われ、プロ年目の桜井心那(ニトリ)が2年ぶり5勝目を飾った。3バーディー、3ボギーの72で通算9アンダーとし、初日から3日間、首位を譲らない完全優勝を決めた。
首位に6人が並ぶ大混戦で迎えた最終18番。桜井は左バンカーからの第3打をピンそば50センチに寄せ、バーディーで優勝を決めた。両手を突き上げて涙を浮かべ、今回初めてキャディーをお願いしたツアー7勝の吉田弓美子(アマノ)と抱き合った。
19歳だった23年は史上3人目の10代4勝をマーク。昨年は予選落ち12回と苦しんだが、23年10月の富士通レディース以来の5勝目を飾った。
優勝会見の一問一答は以下の通り。
―18番のバンカーショットが寄った時と、優勝した瞬間の気持ちは
「寄った時はイメージ通りに打てて、まずはクリアだなと。まだ、気持ちは抜けてなかった。優勝が決まった時は、肩の荷が下りた感じがした。ホッとした」
―18番でプレッシャーはあったか
「けっこう緊張はしてたと思う。心拍数も上がってた。ティーショットもここをバーディーじゃないとプレーオフにいってしまうと分かってたし、人数が多かったので。
―喜びより安どの気持ちか
「喜びもあり、緊張から解かれた、みんなの期待にやっと応えられた安心感もあった。自分の話をすると、苦しい状況を乗り越えられた達成感とか、いろんな感情が一気に解放されてホッとした」
―涙を流していた
「うれし涙があふれちゃいました。全然泣くつもりじゃなかったけど、あんま見たくない。恥ずかしいです。初優勝も泣いてない。優勝して泣いたのは初めてです」
―リーダーボードは見たか
「サラっと見る感じで、下から伸ばしてる選手はいたけど、あんまり上は伸びてなかった。11アンダーまでいけばいいかなと後半は思っていた」
―入谷響が一時、12アンダーに伸ばし、3打差でトップに立っていた
「間違いかと思った。12(アンダー)? どういうこと…って思って。次に見た時は10になってた。やっぱ間違いだったみたいな。12番のティーのところで見たけど、数字が斜めになってるし、ボランティアさんが間違えてるのかなと。
―勝てない時期を振り返って思うことは
「勝ってた頃は、本当に何も考えなくてもスコアが出てたし、うまくいってた。調子悪くなってから、何でそんなうまかったんだろうと思う時もたくさんあった。でも、考えて練習した時間あっての今回の優勝なので、また成長というか、一歩踏み出せた。また時間が動き出した感じがある」
―何が成長したか
「アプローチが一番良くなった。スイングも去年の秋から目沢(秀憲)コーチに習い始めて、けっこう変わった。スイングもヘッドの入れ方も良くなった」
―22年は下部ツアーで5勝し、23年はレギュラーツアーで4勝。24年は一番苦しかったか
「苦しかったです。去年はクラブやシャフトとか、いろいろ試してごちゃごちゃになって、スイングも全然頭が整理できてなかった。得意のパターも入らず、中尺パターを使ったりした。でも、トレーニングも24年後半から始めた」
―吉田に初めてキャディーをお願いし、優勝をつかんだ
「本当に心強かった。初日はずっと楽しく回って、2日目からは最終組だったし、コンディションも急に風も吹き始めて難しかったけど、励まされたり、アドバイスもすごくくださって、ゴルフの話もできた。気持ち的な部分で、この2日間は由美子さんが背中を押してくれたっていうのがないと、本当にこの優勝の壁とか、自分が見えないものの壁とかを乗り越えれなかった。
―次の目標は
「近いので言うと、今からメジャーシーズンに入るし、来週は所属のニトリレディスもあるし、自分の中で重きを置いてる試合が続く。やっぱりメジャーで勝ちたい気持ちはある。今週のセッティングで勝てたのはけっこう自信になった」