【オークランド近郊(米国)3日=金川誉】日本代表は米国遠征のメキシコ代表戦(6日・オークランド)に向け、3日目のトレーニングを開始した。前2日間は別メニューで調整していたMF三笘薫(ブライトン)は、非公開となった練習後、取材に応じ「大丈夫です。

今日の練習? 全部やっています」とフルメニューでチームに合流したことを明かした。

 FIFAランクでは日本の17位に対し、13位と格上のメキシコに対し「チームのやりたいことにどれだけ貢献できるかだと思うので、しっかりと分析して、戦術的なところをしっかりと遂行できるようにしたい」と語った三笘。21年東京五輪では、U―24メキシコ代表と2度対戦。1次リーグでは勝利したが、3位決定戦では敗れた。3位決定戦では3点リードされた後に投入され、意地の1点を奪ったが、悔しい試合として脳裏に焼き付いている。

 メキシコについて「かなりクオリティの高い選手が多いですし、五輪でやった選手も残っています。プレミアリーグ、セリエAでやっている選手もいる。でも僕らも負けていないと思いますし、正々堂々戦えれば」と語った三笘。五輪での2戦はともにメキシコに主導権を握られた中で、第1戦では前からのプレスで前半11分までに2点を奪い、2―1と勝利。しかし3位決定戦は、先に失点して押し切られた。「(メキシコ代表は五輪と)全く別のチームだと思う。自分たちの戦い方も、目標も違う。

イメージはありますけど、全く違うチームだと思ってやるべきかなと」とも述べたが、東京五輪と同じ轍を踏むわけにはいかない。

 主導権を握るためのひとつの要素が、ボール保持率だ。ボール保持率が勝敗に直結するわけではない。しかしメキシコのように力のある相手に対しても、ある程度はボールを握って試合を進めるという狙いは持っており「その方が攻撃のチャンスは多いと思います。だけど握られても、マインドのところだと思うんで、そこをしっかりとチームとして共有できれば問題ない」と話した。

 現在の基本布陣3―4―2―1で、三笘が左ウイングバックに入った場合。日本がボールを握る時間が増えるほど、三笘のポジショニングは相手ゴールに近くなり、攻撃的な持ち味を発揮する可能性は高まる。「守備で疲弊することもなくなると思いますし、その方が(W杯で)連戦になった時は変わってくると思う。ボールを握りながら、どれだけシュートに持っていけるかの方が大事」とも語った三笘。近い実力を持った相手に、どれだけ主導権を持って戦えるか。来年の北中米W杯を見据えたテストマッチに、三笘は明確な課題を持って臨む。

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