デビュー７戦目で世界初挑戦　松本流星「ボクシング界に吹く新しい風の１人になる」…９・１４高田勇仁と王座決定戦 (2025年9月5日)

◆プロボクシング ▽ＷＢＡ世界ミニマム級（４７・６キロ以下）王座決定戦１２回戦 高田勇仁―松本流星▽ＷＢＡ、ＷＢＣ、ＩＢＦ、ＷＢＯ世界スーパーバンタム級（５５・３キロ以下）タイトルマッチ１２回戦 井上尚弥―ムロジョン・アフマダリエフ▽ＷＢＯ世界バンタム級（５３・５キロ以下）タイトルマッチ１２回戦 武居由樹―クリスチャン／メディナ（１４日、名古屋・ＩＧアリーナ） ＷＢＡ世界ミニマム級王座決定戦に臨む同級２位・松本流星（２７）＝帝拳＝が５日、東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開。シャドーボクシング１ラウンド、ミット打ち２ラウンド、サンドバッグ打ち１ラウンドを行った。４歳でボクシングを始めた松本は「子供の時からの夢をかなえる試合にしたい」とデビュー７戦目での世界王座獲得を誓った。 対戦相手の同級１位・高田勇仁（ゆに、２７）＝ライオンズ＝は、プロキャリア１０年で８敗を喫している。全日本選手権を制するなど元アマエリートで、プロでも無敗の松本との歩みは対照的だ。ただ松本は「自分もアマチュアの時に全部が全部いい成績ではなかった。負ける悔しさも一番になれない悔しさも知っている。相手もそうだろうが、必死にやります」と強い覚悟を示した。 また、中学生のころにスパーリングをしたことがあるという高田の印象については「気持ちが強い、試合に強い選手」と語り、自身が勝っている点を「スピード」と挙げた。その上で「試合中も最後まで気を抜かないところを徹底したい。スキルはいいと思うので、あとは試合中の自分の気持ちの持ちようを一番大事にしたい」と「気持ち」の勝負を強調した。 元ＷＢＣ世界スーパーライト級王者の帝拳ジム・浜田剛史代表（６４）は、松本について「ここ何試合で一気に伸びた選手。デビュー当時からうまかったが、パワー不足のところがあった。今はパワー、うまさがちょうどマッチした。それが伸びる練習をしてきた」と評価。「今回一番大事な試合ではあるが、タイトルを獲ればまた伸びていくと確信している」と期待した。 帝拳ジムでは、高見亨介（２３）が７月にＷＢＡ世界ライトフライ級王座を獲得した。松本は１階級上の高見と約５０ラウンド、スパーリングを重ねており「高見が無事にチャンピオンになってくれてよかった。自分も自信になったし、続きたい」。また同じ２７歳で、ともに２３年にプロデビューした那須川天心についても「ボクシング歴は短いが、プロとして戦ってきた歴は長い。パフォーマンスや試合に向けてのコンディション作りや練習も、もう全部見習うところしかない」と刺激を受けている。 高見は帝拳ジムで最速となる１０戦目で世界王座を獲得した。松本が７戦目で世界王者となれば、ジム最速記録を更新する。天心も、１１月にも世界初挑戦に臨む見通しだ。「高見もチャンピオンになって、ボクシング界にも新しい風が吹いてると思う。その中の１人になれるように、しっかりとアピールしたいです」と決意を述べた。 戦績は高田が１６勝（６ＫＯ）８敗３分け、松本が６戦全勝（４ＫＯ）。 試合はＮＴＴドコモの映像配信サービス「Ｌｅｍｉｎｏ」でライブ配信される。