◆国際親善試合 メキシコ0―0日本(6日・米カリフォルニア州オークランド)

 FIFAランク17位の日本は、同13位のメキシコと0―0で引き分けた。約2年ぶりのアジア勢以外との対戦で内容面では手応えをつかんだが、ゴールを奪うことはできず。

元日本代表FWの鈴木隆行氏が収穫、課題の両面から試合を振り返った。

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 上田は厳しいボールも収め、味方に繋げる場面が多かった。新しい日本の武器になり得るプレーを示した。フェイエノールトでも、ボールをキープできなければポジションが奪われる危機感の中でプレーしている。欧州で培ったものが出ていた。

 一方、サイド攻撃はなかなか機能しなかった。珍しいぐらいに、突破する場面が少なかった。相手のペースに合わせてしまった部分もあったのかもしれないし、有利な状況でボールを受けるシーンも多くなかった。サイドで積極的なプレーが少なかったことは、次戦に向けた改善点に感じられた。

 守備面は非常に安定していた。ほとんど崩される場面もなく、競り合いも勝てていた。メキシコ相手にこのパフォーマンスは収穫と言える。

特に前半にハイプレスで相手の余裕を奪い、自分たちのペースにもっていけたことは良かったので、プレスの強度が落ちた後半も続けたい。

 3バックはけが人が続出していたが、対人の強さを発揮し、選手それぞれから欧州の舞台でプレーしている自信を感じた。誰が出ても3枚で抑えられる選手層を示した。

 今後も米国、パラグアイ、ブラジルとW杯出場国との連戦が続く。チームとしてW杯に向けた準備もしつつ、選手それぞれが生き残っていくための積極的なプレーを見せてほしい。W杯で使える選手なのか。日本サッカー史上最高レベルの生き残りをかけた戦いは続く。(元日本代表FW)

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