4人組グループ「ふぉ~ゆ~」の辰巳雄大(38)の2週連続インタビュー。後編は、結成15年目を迎えたグループを“ベテラン新人”と表現し「まだまだ行くぜ!という気持ちが原動力」と情熱をたぎらせる。
個性と才能豊かなグループが群雄割拠する中で、ふぉ~ゆ~はその場にいる記者やスタッフも自然と口角が上がってしまうような、アットホームで不思議な魅力にあふれている。辰巳は「そう言っていただけるのは本当にうれしい。4人の多幸感みたいなものを広げていくのが夢であり目標なので」と顔をほころばせる。
今年で結成15年目を迎えた。「一時期は年に1本しか仕事がなかった」というジュニア時代から苦楽をともにした仲で、「僕らって基本、スタートは負けからで、敗者復活戦で何とか勝ってきた、みたいな感覚がある。いろんな勝負に思い切り立ち向かってウソなくやってきたからこそ誰も欠けることなく、この年齢でも『まだまだ行くぜ!』と思えるのかな。4人で挑戦や達成したいことが、まだまだある」とハングリー精神がのぞく。
ミュージカル「Endless SHOCK」(堂本光一主演)の常連で、舞台経験は事務所随一。「生のステージの前に立ってきたからこそ、お客さんが期待し、求めていることが肌感覚で分かる。だから表現に対しては頑固な部分もあります。そして、名だたる先輩たちのバックについて型を学んできたからこそ、それを破るような試みができる。
入所から約27年を過ごすメンバーとの歩みを「“ジュニア大集合”みたいな現場に呼ばれなかった僕ら、来年もグループでいられるか不安だった僕ら、いろんな僕らがいる」と回想。中でも、「どんなに僕らに仕事がなくても、年に一度コンサートのバックに呼んでくれた」という「嵐」は、青春そのものであり、恩人であり尊敬の的でもある。
「チャレンジャーとして葛藤する嵐、王者として君臨する嵐、いろんな時代を間近で見させてもらってきた。『嵐みたいな人間に、グループになりたい』と思ったのは、ステージでも裏側でも、いつでもメンバーやスタッフの皆さんが楽しそうで幸せな笑顔であふれていたから。そういう空間に、今も心底憧れている」
スターダムを駆け上がる後輩たちの姿に嵐を重ね、刺激を受けている。
「先日、Snow Manの国立(競技場)ライブに行かせてもらって、楽屋に入った時に嵐のことを思い出したんですよね。やっぱり国民的って言われるグループって、まずメンバーが仲いいし、ハッピーなオーラであふれている。もちろん全然違う魅力のある2グループだけど、根本にある仲間や周りの人たちを思い合い、信頼して一緒に幸せになる、そういう気持ちって大事だなって思いました」
アイドルとして「CDデビューは大きな夢のひとつ」と掲げながら、「我々の事務所は『かっこいいやつらでいようぜ』っていう系譜を継いでいるんだと思う。その中で僕たちなりのかっこよさを磨いていきたい」。自分たちの歩幅で、唯一無二のエンターテインメントを追求していく。(ペン・奥津 友希乃、カメラ・宮崎 亮太)
◆辰巳 雄大(たつみ・ゆうだい)1986年11月25日、埼玉県出身。