女優の吉行和子さん(享年90)が2日未明、肺炎のため死去したことを所属事務所の「テアトル・ド・ポッシュ」が9日までに発表した。今年に入り、昭和に活躍した名女優の訃報が相次ぎ、3月に亡くなったいしだあゆみさんらに続いてまた一人スターがこの世を去った。

 吉行さんは1957年の舞台「アンネの日記」でデビュー。74年の舞台「蜜の味」で紀伊國屋演劇賞。ドラマ「3年B組金八先生」シリーズでは家庭科教員の池内友子役として出演し親しまれた。所属事務所は「弊社所属の吉行和子が、9月2日未明、肺炎のため、永眠いたしました」と報告。「ここに謹んでお知らせ申し上げますとともに、吉行和子が生前受け賜りましたご厚誼(こうぎ)に深く御礼申し上げます」と訃報を伝えた。

 今年に入り、昭和に活躍した女優が次々と亡くなっている。7月9日には、吉永小百合松原智恵子とともに「日活三人娘」として人気を博した女優の和泉雅子さんが原発不明がんのため77歳で亡くなった。多くの青春映画に出演。63年には主演映画「非行少女」(浦山桐郎監督)の演技が評価され、モスクワ映画祭金賞を受賞。冒険家としても活躍した。

 7月12日にには、ドラマ「サインはV」、映画「限りなく透明に近いブルー」などで活躍した中山麻理さんが逝去。77歳だった。

66年に女優デビューし「サインはV」などでアイドル的存在だった。その後もエキゾチックなルックスと健康的なボディーを生かして数々の映画・テレビドラマに出演した。

 6月12日には藤村志保さんが肺炎のため86歳でこの世を去った。1962年に市川崑監督の映画「破戒」ヒロイン役でデビューし、気品のある演技で時代劇に欠かせない存在に。ナレーション、日本舞踊、執筆などでも多彩な存在感を放った。

 3月11日にはいしだあゆみさんが甲状腺機能低下症のため76歳で死去。86年映画「火宅の人」では報知映画賞主演女優賞を受賞。映画「駅 STATION」、ドラマ「北の国から」「金曜日の妻たちへ」「青春家族」など数々の話題作に出演した。歌手としても活躍し「ブルーライト・ヨコハマ」は69年に大ヒットし、NHK紅白歌合戦にも出場。昭和を代表する名女優だった。

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