藤井聡太王位=竜王、名人、王座、棋聖、棋王、王将との七冠=に永瀬拓矢九段が挑戦する第66期王位戦七番勝負第6局が10日、東京・渋谷区の将棋会館で指し継がれた。先手の藤井が勝利し、6連覇を達成した。
戦型は角換わり腰掛け銀。序盤は素早い指し回しが続いたが、形勢は中盤まで一進一退。最後は藤井の終盤力で一気にリードを広げた。王手をかけた一手で「自玉を安全にすることができた」と勝利を意識した。
藤井はシリーズ4勝2敗で防衛。本シリーズでは2日制タイトル戦で初の連敗を喫し「うまくいかないところが多かった。1局1局振り返って、次に生かしていきたい」と反省の言葉を口にした。記録についても「意識はしていなかったけど、一つ一つ積み上げられたことは光栄に思います」と冷静な口調で語った。
本局は静岡・牧之原市「平田寺」で指される予定だったが、5日に市内で竜巻が発生。被害が出ており、同日中に杉本基久雄市長は開催辞退を申し入れた。今年1月の移転以降、将棋会館で2日制対局が行われるのは今回が初めてとなった。