◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
熱のこもった言葉に胸を打たれた。8月10日に広島市内で行われたサッカー日本代表・森保一監督(57)のトークイベントを取材した。
1年を切った北中米W杯を見据えて「喜びも悲しみも日本の歴史を知った上で戦っていくということ」と説明した。「(戦争で)生きたくても生きられなかった人たちがいる。平和があるからこそ、自分の好きなことができる。今、この時間が当たり前ではないんだな、ということを改めて考えさせられた。自分たちが今を一生懸命生きなければならない」と日常のありがたさを口にした。
戦争で命を落とした人や、再興に尽力した人たち。やりたいことができず、その時々で国を思って、日本の歴史がつながった。「日本の歴史の中で、自分たちの力を出し切るという思いを持って挑みたい」。平和の下でサッカーを追求できることを感謝し、W杯の勝利、躍進を国民に届ける。
日本人であることに誇りを持ち、試合前の国歌斉唱時には感極まった表情を見せる。覚悟を決めた指揮官は、来年どんな歴史をつくるのだろうか。(サッカー担当・岩原 正幸)
◆岩原 正幸(いわはら・まさゆき)2004年入社。今年からサッカー担当キャップ。